久元 喜造ブログ

2017年12月21日
から 久元喜造

「みんなの掲示板」の増設


神戸市では、主要な駅前や繁華街に、公共掲示板である「みんなの掲示板」を設置しています。
市民同士のコミュニケーションを活発にし、広告や募集の一助としていただくためです。
ビラなどが無秩序に街の中に貼られることを防ぐねらいもあります。

公職選挙法など法令に違反するものなどを除き、自由に掲示することができます。
原則として、毎月末に撤去しますから、最大1か月間、掲示することができます。
これまで、三宮、元町のほか、JR神戸駅、阪神御影駅、阪急六甲駅、地下鉄長田駅、神戸電鉄西鈴蘭台駅、山陽電鉄西舞子駅など23か所に25基を設置してきました。

広報・広告などの伝達手段は、SNSなどネット利用が花盛りですが、「みんなの掲示板」のような古典的なやり方も、まだまだ意味があるのではないかと思います。
むしろ、ネット全盛の時代だからこそ、このように一見時代遅れの手法が意外と新鮮に感じられるような気がします。
少しは街のにぎわいに役立つかもしれません。

そこで、このほど、「みんなの掲示板」を、市街地西北部を中心に、さらに10か所増設することにしました。
下の写真は、神戸電鉄岡場駅です。

谷上駅です。

地下鉄西神山手線西神南駅です。

このほか、神戸電鉄道場駅、田尾寺駅、五社駅、北鈴蘭台駅、JR鷹取駅、山陽電鉄板宿駅、地下鉄西神山手線伊川谷駅に設置します。
たくさんのみなさんに利用していただきたいと願っています。

 


2017年12月17日
から 久元喜造

吉原祥子『人口減少時代の土地問題』


「「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ」というサブタイトルが付けられています。
空き家・空地、所有者不明土地問題については、ブログで何回も取り上げてきましたように、強い問題意識を持って取り組んできましたので、興味深く読みました。
本書が取り上げている問題の所在と現状、対応方策の進捗状況については、おおむね知っていましたが、問題が生じてきた背景、制度の由来、解決方策へのアプローチについて、さらに理解を深めることができました。

筆者の問題意識のひとつは、「なぜ、国土管理の基本である土地の所有者情報について、任意である権利の登記がその中心になったの」か、という点です。
不動産登記制度は、「不動産の物理的状況を明確にする機能」と「所有権などの権利の変動を公に示す機能」の二つの役割を持っていますが、これらはもともと別の制度でした。
前者の機能は、地租を徴収するためにつくられた土地台帳が始まりで、税務署が担っていました。
後者の機能は、民法の制定に対応するために不動産登記法が担い、法務局が管轄しました。
戦後、地租が廃止されて、市町村が固定資産税を課すことになりましたが、この結果、税務署が土地所有者の把握を行わなくなり、さらに土地台帳の廃止による登記簿と台帳の「一元化」により、前者の機能は後者の機能を有する登記制度に吸収されてしまったのです。

このような経緯を考えれば、登記の義務化はなかなか奥行きの深いテーマであることがわかりましたが、何とか解決に向けて自治体としても積極的に検討に参画していきたいという思いを新たにしました。


2017年12月13日
から 久元喜造

「所有者不明土地問題研究会」最終報告


今朝は、午前7時半から麹町で開催された「所有者不明土地問題研究会」(第4回)に出席しました。
これまでの議論を集大成した最終報告がまとめられました。
今年の5月に指定都市市長会が政府などに提出した提言の項目(2017年7月7日のブログ)が、ほぼ取り入れられています。
「所有者不明土地を円滑に利活用・管理できる社会」「所有者不明土地を増加させない社会」「我が国のすべての土地について真の所有者が分かる社会」の実現のために、具体的な方策が盛り込まれました。

最終報告のサブタイトル「眠れる土地を使える土地に「土地活用革命」」が示すように、「土地基本情報総合基盤」(仮称)、「現代版検地イメージ」など、これまでにない新しい発想が取り入れられています。

座長をつとめられました増田寛也東京大学客員教授(神戸市顧問)には、議論の過程で国民に対して強いメッセージを発信され、この問題に対する関心の喚起にも貢献されました。
また、加藤勝信厚生労働大臣には、大臣の激務の中、きょうも研究会に出席され、発言をいただきました。
すでに政府は、関係法案の次期通常国会への提出を明言されており、法案の内容が注目されるところです。
制度改正をにらみながら、自治体もしっかりと取り組んでいくことが必要です。
神戸市も、来年度予算に、所有者不明土地への対応も意識しながら、空家・空地対策に必要な予算を盛り込んでいきたいと考えています。


2017年12月12日
から 久元喜造

銭湯改修への支援を開始します。


一般公衆浴場、いわゆる銭湯は、現在市内に39か所あります。
震災前には約180か所ありましたが、自家風呂普及による利用者の減少、営業者の高齢化、後継者不足などで減ってきています。
しかし、未だ自家風呂がない世帯もあり、一人暮らしの方の中には、自家風呂があってもシャワーで済ませ、湯船につからない方もおられるようです。
銭湯でゆっくりしていただくことは、心身ともによい効果をもたらすという意見もあります。
また、銭湯は地域コミュニティの場ともなっており、銭湯の活性化は、地域コミュニティにとっても必要です。

そこで神戸市は、今年の9月、神戸市浴場組合連合会と「地域の銭湯の活性化に向けた協定」を締結し、積極的に連携・協力を進めることにしました。
この協定を踏まえ、現在、市内39か所の銭湯を巡る「神戸三十九箇所 オフンロ巡り」を実施しているところです。

これまでの取り組みに加え、銭湯の持続的な営業に資する見地から、12月6日に市会で議決いただいた補正予算に、銭湯の老朽設備改修事業、バリアフリー化事業に補助する経費(上限は150万円)を盛り込むことにしました。
具体的には、①浴室、脱衣室、空調、タイル張替などの内装、②煙突、屋根、塗装などの外装、③ボイラー、配管、貯湯槽などの給水湯設備 を対象に補助を行います。

銭湯は、災害発生時に避難者が入浴できる場としての役割も期待されているところです。
銭湯がこれからも社会的な役割を果たし続けていくうえでの一助になればと考えています。


2017年12月9日
から 久元喜造

フランス領事の神戸滞在 1891-1906


11月20日まで 神戸北野美術館 で開催された「フランス領事の神戸アルバム」にお邪魔しました。
興味深い展覧会でしたので、遅くなりましたが、少し記しておきたいと思います。

この展覧会の主人公は、神戸・大阪フランス領事だったド・リュシィ・フォサリウ(1859-1908)です。
1899年(明治32年)、神戸の外国人居留地が我が国に返還されたときの領事です。
フォサリウ領事は、1891年(明治24年)から1906年(明治39年)まで、約16年間、神戸・大阪フランス領事として神戸に滞在しました。

展覧会に先立ち、フォサリウ領事のひ孫に当たられるフランソワ・マルブリュノさん、そして、今回の展覧会の開催に尽力された「北野・山本地区をまもり、そだてる会」の会長、浅木隆子さんが市役所を訪問してくださり、展覧会開催に至る経緯などをお聞きすることができました。

会場には、広壮な領事邸や屋敷の中の調度品、フォサリウ一家が舞子海岸に遊んだ様子などを映した写真などが展示されていました。
フォサリウ一族の家系図も展示されていました。
これらの写真は、代々子孫に引き継がれたそうです。
展示の説明で、フォサリウ領事の母上と生後3か月の長男が神戸で亡くなり、神戸の外国人墓地に眠っていることを知りました。
お墓は今でも神戸市によって、大切に管理されています。
子孫の方々から神戸市への謝辞が浅木会長を通じて伝えられ、ありがたく存じました。


2017年12月6日
から 久元喜造

職員の地域貢献活動を支援


昨日の記者会見で、読売新聞の記者の方から神戸市の職員の地域貢献について質問を受けましたが、きょう、記事として取り上げられていました。
記事の内容は、神戸市の職員有志が今夏から、経済的理由で学習塾へ通えない中学生を対象に、ボランティアで学習塾を運営している様子を紹介するとともに、神戸市の取り組みにも触れるものでした。
職員有志のみなさんは、「インターネットを通じた寄付で運営費を賄うなどし、手弁当で息の長い活動を目指している」とのことでした。

神戸市の職員が、仕事としてではなく、市民として、地域で起きているさまざまな問題の解決のために汗を流すことは、とても意義があることだと思います。
職員として培ってきた知識や経験を活かし、さまざまな活動を行ってほしいと願います。
職員のみなさんは、人のために役に立ちたい、地域のために貢献したいという想いを抱いて、市職員としての道を選ばれたことと思います。
地域活動への貢献は、職員として与えられた仕事の遂行とは違う方法で、そのような想いを具体化していくことにつながるように思います。
勤務時間外に地域で活動し、地域の現実や空気に触れることは、職務を遂行する上でも得るところが大きいのではないかと感じます。

また、第二の人生が長くなっている今日、退職後に息長く地域に貢献していくことは、とても有意義ではないかと感じます。
高齢者部分休業制度(2017年11月14日のブログ)をうまく使っていただき、なだらかに、第一の人生から第二の人生に移行していただければと願っています。


2017年12月3日
から 久元喜造

神戸室内合奏団 定期演奏会


「ハイドンのふたつの時代から 疾風と怒涛から古典派の確立へ」というコンサートのタイトルは、ほとんど意味不明ですが、同じ時代を生きた、ヨーゼフ・ハイドン(1732 – 1809)とルイジ・ボッケリーニ(1743-1805)の作品が演奏されました。

冒頭に、鈴木秀美さんのチェロで演奏されたボッケリーニのチェロ・コンチェルトは、当日配られた解説によれば、1770年にパリで出版された原曲に由来するそうですが、冒頭から奏された通奏低音奏法からも窺えるように、明らかにバロック音楽の痕跡を多く残し、かなり前に創られた作品であるように感じられました。
前半の2曲目は、ハイドンのシンフォニー、ホ短調 Hob.Ⅰ―44。
誰が付けたかわかりませんが、「悲しみ」というタイトルです。
悲しい、というよりは、ホ短調の緊張感が全曲を包みます。

後半は、ハイドンのシンフォニー、イ長調 Hob.Ⅰ-87。
たいへん充実した作品を、鈴木秀美さんの指揮による充実した演奏で聴くことができました。

的外れかもしれませんが、全体を通じて、聴衆の心理をくすぐる巧妙なプログラミングのように感じられました。
休憩をはさんで、静かに、さりげなく、聴き手の気持ちが盛り上がっていくように感じられたのです。
とくに、イ長調 Hob.Ⅰ-87は、後期のロンドンシンフォニーに比べても、決して劣るとは感じられない作風の充実が感じられ、終楽章に向かってテンションを高めながら進んでいく音楽の運びとも相まって、とてもスリリングなひとときを過ごすことができました。


2017年11月29日
から 久元喜造

神戸新聞社からの猛烈抗議

夜中、これまでアップしたブログの更新作業に追われました。
発端は、神戸新聞社からの、私のブログへの抗議です。
神戸新聞の記事を写真に撮り、ブログにアップすることが、著作権法違反にあたるという指摘です。
すぐに削除するように事前に警告するが、もしすぐに対応しなければ、市長といえども告訴も辞さない、との猛烈な抗議を受けたのだそうです。

確かに、著作権法の解釈からいえば、神戸新聞社のおっしゃるとおりです。
私は、夜遅く帰宅してから、これまでアップした記事を検索し、神戸新聞社の記事の画像を削除する作業を行いました。
もし、まだ残っている記事があれば、明日も確認し、削除したいと思います。

確かに私の落ち度ですが、新聞記事のごく一部を映し、ブログにアップすることが、そんなに問題があることでしょうか?
神戸新聞社には、神戸のことをいろいろ発信していただいていることには、本当に感謝しております。
記事を批判的に取り上げたことに関係しているとは思いませんが、地元紙として、もう少し、おおらかな対応がありえないのかという疑問は禁じ得ません。

もちろん、法律的な解釈は神戸新聞社のおっしゃるとおりですから、記事の画像は速やか削除いたします。


2017年11月28日
から 久元喜造

ハイブリッド芝導入に着手


先日、2019ラグビーワールドカップの試合日程が発表されました。
神戸では一次リーグ4試合が行われることとなりました。

会場となる ノエビアスタジアム神戸 では、10月下旬からハイブリッド芝導入のための工事が始まっています。
ハイブリッド芝は、天然芝に人工繊維を埋め込むことで、芝が生長するにつれて根が人工繊維に絡み、耐久性を向上させる芝です。(2017年3月26日のブログ
今年の7月に性能が検証され、日本国内で始めてJリーグからハイブリッド芝の使用が承認されました。
今回の工事では、ハイブリッド芝の敷設のほか、下層部分に「地温コントロールシステム」という新しい設備を導入します。

芝生ピッチの土中に配管を行い、夏場は冷たく、冬場は暖かく温度管理した水を循環させることで、芝生の育成に最適な土中温度に保ち、生長を促すものです。
「ハイブリッド芝」「地温コントロールシステム」、さらに日照不足を補完するため、芝生生育に有効な光を照射する「グローライト」という機器を組み合わせ、より強靭な芝生ピッチを生み出します。
これらの対応により、ノエビアスタジアムのピッチコンディションは大幅に改善されます。
このほか、新しいラグビーのゴールポストや、スタジアムの電気設備の改修などラグビーワールドカップに備えたほかの工事も行っています。
いずれの工事も来年3月を目標に進めており、生まれ変わった芝生ピッチで来シーズンのヴィッセル神戸のホーム戦を迎える日を楽しみにしたいと思います。


2017年11月24日
から 久元喜造

Friday Night in 神戸旧居留地


お洒落にライトアップされたビルの写真が載ったパンフレット。
神戸旧居留地の夜をもっと楽しんでいただこうという取り組みです。

ナイトエコノミーの活性化は、神戸の課題のひとつです。
神戸を訪れる来街者の多くが大阪に泊まるのは、神戸の夜のありように課題があるからだと思います。
「神戸文化フォーラム」でも議論しましたし(2017年2月13日のブログ)、夜のカフェで開かれたディスカッションにも2回参加しました。

そろそろ行動のときではないかと感じてきましたが、このほど、旧居留地で動きが出てきました。
神戸市立博物館 では、「ボストン美術館の至宝展」の開催期間中(2018年2月4日まで)、第四金曜日は、夜9時まで開館することにしました。
きょう11月24日、そして12月22日、来年の1月26日の3回、開館時間を「午後5時30分まで」から「午後9時まで」に、大幅に遅らせます。
市立博物館は35年前にできましたが、平日の夜9時まで開館するのは初めての試みです。

市立博物館のこの動きに呼応して、旧居留地内の他のミュージアム3館、神戸パールミュージアムKOBEとんぼ玉ミュージアム神戸らんぷミュージアム も、夜間開館をしていただけることになりました。
ありがたいことです。
また、夜間開館の日に合わせて、旧居留地のビルのロビーで、街角コンサートが開かれます。
PREMIUM CLASSICAL CONCERT

このような取り組みが広がり、神戸の夜が充実したものになっていってほしいと願います。