久元 喜造ブログ

2024年7月13日
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五百旗頭真『大災害の時代』

今年3月に急逝された五百旗頭真先生のご著書です。 関東大震災から100年の年に刊行された本書では、主として関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災が取り上げられます。 冒頭、「本書は、三つの大震災のそれぞれを包括的に解 … 続きを読む

2024年6月21日
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谷崎潤一郎『陰翳礼讃』

『陰翳礼讃』は、谷崎潤一郎が1933年に発表した随筆です。 独自の視点で日本文化の価値を再発見した名著とされています。 パイインターナショナルから刊行された本書には、大川裕弘氏の写真が掲載されています。 そして、写真の横 … 続きを読む

2024年6月8日
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小林道彦『山県有朋』

新書で山県有朋の評伝を読むのは、伊藤之雄『山県有朋-愚直な権力者の生涯-』(文春新書)以来です。 伊藤が、山県の人となりやそのときどきの心情に迫っていくのに対し、本書では時代の流れの中での山県の立ち位置を明確にしながら、 … 続きを読む

2024年5月25日
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背筋『近畿地方のある場所について』

新聞の書評によると、ネット上のサイトに投稿されたホラー小説の書籍版だそうです。 神戸に住んでいる私にとり、タイトルにも興味を抱きました。 語り手の私、背筋は、東京在住のライター。 友人の小沢が消息を絶ち、情報提供を呼びか … 続きを読む

2024年4月22日
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松村淳『愛されるコモンズをつくる』

最初に提起される課題は、住宅という私的空間、そして、さまざまな公的空間の限界です。 コロナ禍の中でオンライン会議やテレワークが行われましたが、nLDKタイプが主流の都市型住宅は、仕事や勉強をする面的余裕はありませんでした … 続きを読む

2024年4月5日
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森政稔『戦後「社会科学」の思想』

「社会科学」を「個別の社会領域を超えて時代のあり方を学問的に踏まえつつ社会にヴィジョンを与えるような知的営み」と定義し、以下の4つの時代を設定して、社会科学の主題の転換と背景にある思想が関連付けながら論じられます。 ①「 … 続きを読む

2024年3月23日
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佐藤卓己『池崎忠孝の明暗』

池崎忠孝(1891 – 1949)は、文芸評論家、新聞記者、軍事評論家、実業家、衆議院議員、文部省参与官など多彩な経歴を持ち、幅広い世界で活躍しました。 池崎の生涯を克明に描いた本書を通読し、日本の近代史をよ … 続きを読む

2024年3月9日
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水谷竹秀『国際ロマンス詐欺』

SNSやマッチングアプリで恋愛感情を抱かせ、金銭を騙し取る「国際ロマンス詐欺」。 被害の急増が報じられています。 本書は、その赤裸々なルポルタージュです。 2023年9月号のWedge で、紹介記事を読みました。 日本や … 続きを読む

2024年3月4日
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キューバリブレを飲みました。

昨年読み終えた小説『未必のマクベス』には、キューバリブレがよく出てきます。 小説の冒頭、バンコクから香港に向かう機内。 主人公の中井優一は客室乗務員を呼び、ダイエット・コークとラムのロックを注文し、氷の先を指で押さえてス … 続きを読む

2024年2月21日
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早瀬耕『未必のマクベス』

少し久しぶりに、昨年暮れに読んだ読書の感想を書きます。 600頁を超える大作です。 タイトルにあるように、シェークスピアの戯曲「マクベス」に沿ってストーリーは展開します。 IT企業の敏腕社員である主人公の中井優一、同僚の … 続きを読む