3月16日の産経新聞に、「修学旅行 京都離れ」の見出しで、修学旅行の異変についての記事が掲載されていました。
インバウンド(訪日外国人)の急増や旅行費の高騰などを受けて、行先を変更する学校が出始めているというのです。
高知市の中学校では、前年、班活動で京都市内の清水寺や仁和寺といった歴史的名所を回ったところ、乗車予定のバスに人があふれ、バスの到着が遅れたり、乗り損ねたりする生徒が相次いだそうです。
校長先生は、「混雑が激しく訪問先を断念することもあり、教育的効果が見込めない」と判断し、名古屋市周辺に変更したと話していました。
京都は、以前から修学旅行先として人気です。
日本修学旅行協会(東京)の教育旅行年報「データブック2024」によると、令和5年度に全国の中学校の修学旅行訪問先で最も多かったのが京都(24.2%)で、奈良(18.7%)、東京(8.7%)、大阪(8.7%)と続きます。
従来の見学型から体験型の学びへと見直す動きもあるようですから、神戸観光局において、人と未来防災センターなどで震災の記録に触れ、防災学習ができるような神戸への修学旅行の誘致にさらに力を入れていただきたいと思います。
その上で、日本の子供たちがインバウンドの激増により修学旅行で京都に行きにくくなっている現状には疑問を覚えます。
京都の豊かな歴史遺産を間近に見て、我が国の悠久の歴史に触れることは、とても意義があります。
インバウンドは確かに経済効果を地元にもたらしますが、日本人の旅行のありようにも影響を及ぼします。
子どもたちを含め、日本人が日本の歴史に触れる機会が減っている現状には、複雑な想いを抱きます。