久元 喜造ブログ

2013年9月21日
から 久元喜造

公募にふさわしいポストとは。

9月19日のブログ 9月20日ブログ 、で、区長の公募がいかに不適当かについて触れました。
それでは、行政組織のポストは、すべて公募には向いていないのでしょうか。そんなことはないと思います。

一般に、国や自治体、また、企業でも、新規採用は、ふつう、公募で行われます。したがって、公募が問題になるのは、内部から登用するような特定のポストを、民間を含め、公募することの是非ということになります。

内部登用ではなく、民間を含めひろく公募により人材を求めることは、しばしば有効です。
たとえば、①これまで向き合ってこなかった行政課題が出てきて、その課題に通じた人材が内部にいない場合、②課題の解決や政策の新しい展開を図るため、新しい発想が求められる場合、③長年の懸案がなかなか解決できず、外部人材を活用して一気に解決を求めようとする場合、④組織にマンネリや沈滞が見られ、外部から新風を吹き込み、組織の体質を改善したいと考える場合、などが挙げられます。

このような場合にも、公募ではなく、国やほかの自治体、民間企業から派遣を要請することも考えられます。要請を受けた側は、私の経験では、できるだけ要請の沿うような人材を探し、派遣に応じることが普通です。これは、ある種、頼まれた側における一種のプライドのなせるわざです。

国や他の自治体からの派遣、既知の民間人からの登用ではなく、ひろく公募により人材を求める動機は、結局のところ、未知の知識、発想、資質、人脈などに期待することにあると思われます。
リスクはありますが、思いがけず、才能にあふれる人材を得られる可能性もあります。

未知の可能性とともに、リスクがあることを十分認識し、公募するポストや求める人材のイメージ、処遇の条件などを明確にした上で、公募に踏み切ることが必要です。
もちろん、選抜に当たっては、選抜する側の眼力が問われます。重要ポストの場合には、トップ自らが面接などにあたるべきでしょう。

公募などのより外部から人材を登用する場合に大事なことは、任命した後の対応です。
生え抜きの職員ばかりの職場の中で孤立したり、これまでとは異なる職場の雰囲気や風習に戸惑うことがないよう、しっかりとケアすることが大切だと思います。


2013年9月20日
から 久元喜造

区長・校長公募 ― 失敗の理由

昨日のブログ で、大阪市において、公募により民間から任命された区長や校長が、次々に問題を起こし、辞めさせられたり、処分を受けている事例を紹介しまた。
きょうの朝日新聞夕刊でも、一面トップで、大々的に取り上げられています。

このような失敗事例が相次いでいるのは、単なる偶然でしょうか。そうではありません。私は、失敗は必然だと思います。
理由は、簡単です。区長や校長は、それぞれの区、学校の最高責任者であり、そのような重要ポストににふさわしい人物かどうかは、論文や面接だけでは判断できない、ということです。

一般に、公募による人材リクルートには、メリットとデメリットがあります。
メリットとしては、ひろく未知の人材を募り、新しい優れた人材を入れて、組織に活力とダイナミズムを与えることが挙げられます。新鮮な感覚を持った、優秀な人材が次々に入ってくれば、組織は活性化します。
一方、公募には、デメリットがあります。試験や面接などでは、本当にその人が、自らの組織にふさわしい人物なのかどうかはよくわかりません。公募には、不確実性があるということです。

組織が若い人材を新規採用する場合には、公募のメリットが、デメリットをはるかに上回ります。採用してから、本人の能力や適性を見極め、研修を行い、ふさわしいポストに配属していくことによって、デメリットは事後的に減らすことができます。

これに対し、区長や校長の職務は幅広く、仕事は複雑、高度で、高い見識が問われます。就任したその日から、高度な判断や困難な調整に追われます。言動も注目されます。
区長、校長とも、市役所や小中学校に新規採用で入られたみなさんにとっては、多くの場合、最終のポストであり、区長や校長になる方は、ごく一部です。
そのような重要なポストの人事においては、失敗のリスクを極力回避しなければなりません。
ふたをあけてみたら、とんでもない人物であったということになれば、市役所や学校の日々の仕事にも差し障りが出ますし、市民のみなさん、保護者のみなさんをはじめ、たくさんの方々に大きな迷惑をかけることになります。
部下職員の士気も大きく下がることでしょう。上司のスキャンダルの処理に追われる、総務・人事担当の職員は、どんな気持ちで対応されているのでしょうか。

私は、区長や校長の公募は論外だと思いますが、民間からの登用を否定するものではありません。
区長や校長にふさわしい人物は、民間にもおられると思います。しかし、その場合には、未知の人物を、論文や面接などで判断する博打人事ではなく、既知の人材の中から、真に、区長や校長が務まるかどうかをきちんと見極めた上で、選ぶべきだと思います。

私は、長く、国や自治体で仕事をしてきて、人事の失敗をたくさん見てきました。
予算は間違えても、補正すればすみますが、人事を間違えると、取り返しがつかないことになりかねません。
とくに責任の重いポストの人事は、周到な上にも周到に行うべきです。人事でポイントを稼ごうといった邪心を抱くと、まず、墓穴を掘ります。
周到な上にも周到な人事を行っても、失敗することはあり得ますが、失敗のリスクはできる限り減らすべきです。
公募による区長の任命は、限りなくリスクが大きく、組織管理の常識があれば、あり得ない選択です。


2013年9月19日
から 久元喜造

失敗続きの区長、校長公募。

区長を民間から公募する、とおっしゃっている候補予定者がおられます。
残念ながら、実態を見ると、ほかの自治体では、問題が噴出し、失敗続きです。

とくに、鳴り物入りで導入された、大阪市では、問題事例が続出しています。
2012年8月、人材派遣会社役員出身のS区長は、就任直後、個人名義のツイッターで一般市民の批判的な声に「アホか、相当な暇人やな」と書き込み、口頭注意処分を受けました。
2012年11月、コンサルタント会社員だったT区長は、区長公募の際の論文で、差別としか受け取られないことを書き、大きな批判を浴びました。
2013年4月、経営コンサルタント出身のW区長は、市職員らに暴言を吐いたり、区長会議の欠席を繰り返すといった問題行為が続いたとして、人事室付に更迭されました。その後、公募時の経歴書や年金記録文書にも虚偽の記載が発覚し、分限免職処により辞めさせられています。
ごく最近のことですが、2013年9月、今度は、やはり民間出身のM区長が、部下の女性職員にセクハラ行為をしたとして、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けています。

このほか、民間から公募された校長でも、問題が相次いでいます。

2013年6月、4月に民間から登用されたばかりの校長が、「自分の経験やスキルを生かせる学校ではなかった」として、わずか3カ月足らずで辞職しています。この校長は、当時38才。それまでは、外資系証券会社に勤務されていたそうです。
今年の8月 やはり民間出身の男性校長(59)が、児童の母親ら3人に不適切なメールを送ったり、体に触ったりするセクハラ行為をしたとして、減給10分の1(6カ月)の懲戒処分を受けています。大阪市教育委員会は、9月11日付で、この校長をいったん更迭し、市教育センター付にして研修を受けさせた後、再び校長に復帰させる方針ですが、保護者などは強く反発しており、騒ぎは収まりそうにありません。

区長を民間から公募する、とおっしゃる候補予定者は、なぜ、このような失敗事例に学ぼうとはなさらないのでしょうか。


2013年9月18日
から 久元喜造

隣接する市、町とのコラボレーション

神戸市は、芦屋市、西宮市、宝塚市、三田市、三木市、稲美町、明石市と隣接し、明石海峡を隔てて、淡路市があります。
基礎自治体である市や町を越える広域行政は、広域自治体である県の役割ですが、複数の市や町にまたがる行政課題について、すべて県が面倒をみることは不可能ですから、市や町同士が、協議し、連携していくことは重要です。

神戸市は、これら7市1町と、「神戸隣接市・町長懇話会」という会を組織し、都市間に共通するまちづくりの課題について、市域を越えて連携した対応を図っています。
平成2年の発足以来、「のびのびパスポート」を神戸市と隣接市町で使用できるようにしたり、災害時相互応援協定を締結したりしています。

また、「ぐるっと神戸マップ」というサイトをつくり、神戸市と7市1町の観光地や名産物、行事などの紹介をしています。
今、秋の行楽シーズンの行事やイベントが、たくさん掲載されています。神戸電鉄、山陽電鉄、阪急・阪神、JRなどの鉄道で、周辺の地域に足を伸ばし、のんびりとした一日を過ごされるのもよいのではないでしょうか。

平成23年度からは、共同で「神戸まつり」に出展し、それぞれの地域ブランドをPRしています。
宝塚市の「リボンの騎士 サファイア」や明石市の「時のわらし」、西宮市の「みやたん」など観光大使や、ゆるキャラも集合し、淡路のたまねぎや三木のハーブなど各地の名産のPRを行っています。毎年、行列が出来るほどの人気ぶりです。

平成24年度からは、神戸市が中心となり、阪神淡路大震災の教訓を踏まえた職員合同研修(防災編)を実施しています。

このように、大都市と近隣の都市とが連携し、にぎわいづくりや課題解決に向けて、ともに取り組んでいくことは、これからますます重要です。


2013年9月17日
から 久元喜造

サンテレビの阪神中継

ときどき、居酒屋さんやお好み焼やさんに立ち寄り、サンテレビの阪神中継を見ることがあります。
今年は、残念ながら、2位が確定してしまいましたが、サンテレビを見ながら、阪神タイガースを応援するお客さんたちは、何となく、いつも和んでいますね。

神戸に本社を置く サンテレビ が、阪神タイガースの公式戦を伝え始めてから、すでに半世紀あまりが経過したそうです。

 サンテレビ  が開局した1969年から、中継が開始されました。
阪神タイガースの中継は、サンテレビが地元に密着している証だったのかもしれません。
放送開始したばかりのときは、「商売にならない」という声もあったそうです。しかし、だれもやり遂げたことがないなら、やってやろうという熱い思いがあった、と聞きました。

サンテレビの阪神タイガース戦中継は、1970年からは、試合開始から終了までの「完全中継」となりました。日本で初めての試みだったそうです。
1970年前後といえば、巨人の黄金期でした。そのような時代に、サンテレビが阪神タイガース戦の完全中継を敢行したことは、今の阪神人気につながる、大きな契機だったのかも知れません。

サンテレビといえば、阪神タイガース。
番組編成は、阪神戦の完全中継を中心に回っている感があります。そのようにして番組を編成しても、スポンサーはじめ周囲が受け入れてくれていることでしょう。全国系列に属さない「独立放送局」のなせるわざです。

今年、サンテレビの中継試合数は、のべ3000の大台を越えました。
来年も、阪神タイガースとともに、 頑張ってほしいものです。

 

 


2013年9月16日
から 久元喜造

神戸市長選挙 公開討論会・動画

昨日の公開討論会については、各紙に大きく報じられていました。
またその模様は、神戸新聞のサイトから、動画としてアップされていますので、是非、ごらんいただければ、幸いです。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201309/0006340838.shtml

そのうち、Youtube にもアップされることと思います。

きのうは、樫野孝人さんのほかに、神戸市議の森下やす子さん、政治団体共同代表の貫名ユウナさんが、参加されました。
森下やす子さんには、討論会の最後に設けられた質問時間で、市会と市長との関係について質問させていただきましたが、待ってました、とばかり、よどみなく、お答えになりました。

貫名ユウナさんにお会いするのは、昨日が初めてでした。会場の控え室に参上しましたら、貫名さんはすでに到着されていました。
灘区育ちで、北区にお住まいとのこと。北区のことなどで話に花が咲きました。
貫名さんには、憲法の地方自治の規定について質問させていただきました。「現行規定を変える必要はありません」とのお答えでした。

きょうは、台風18号が通過し、神戸でも、垂水区名谷町、北区道場町などで避難の勧告や指示が出されました。
河川の警戒や避難の誘導など災害対応に当たられた、消防局、消防団のみなさまをはじめ、関係のみなさまに、深く感謝申し上げたいと思います。

 


2013年9月15日
から 久元喜造

神戸市長選 立候補予定者公開討論会

きょうは、午後2時から、神戸新聞社  松方ホール で、神戸市長選 立候補予定者公開討論会が開催されました。
主催は、神戸新聞社と神戸青年会議所です。
立候補を表明しておられる、神戸市議の森下やす子さん、会社役員の樫野孝人さん、政治団体共同代表の貫名ユウナさん、それに、私が出席しました。
台風が接近する荒れ模様の天気でしたが、約600人のみなさんが出席され、会場は熱気にあふれました。

司会者の方から、「ずばり、この市長選挙の最大の争点は何だと思いますか?」と聞かれましたので、

「今回の市長選挙の争点は、明確です。神戸の持つ可能性を生かして、神戸が安定した成長軌道に乗り、未来を創造していく都市に成長していくことができるのか、それとも、実現不可能、あるいは、無意味な『改革』 ― たとえば、地下鉄の民営化、この期に及んでの地下鉄の延伸、区長の公募、複式簿記の導入など ― を掲げる方が市長になって、市政が混乱し、神戸が停滞し、凋落していくことになるのか、どちらを選ぶのかが問われる選挙です」とお答えしました。
樫野さんの公約の大部分は、絵空事です。

討論会では触れませんでしたが、今回の選挙のもうひとつの争点として、地方自治に関する基本姿勢があると思います。
樫野孝人さんは、かねてより、「選挙は、究極のマーケッティングである」とおっしゃっているからです。 (東洋経済新聞社オンライン
選挙がマーケッティングという考え方は、ご自身、あるいは、公約や政策という商品を、消費者である有権者に売り込むことを意味するものと思われます。

このような考え方は、長く一貫して地方自治や民主主義を考え、実践してきた私には、到底受け入れられないものです。
有権者である住民は、決して消費者ではありません。住民は自治の主役であり、担い手です。そして、選挙は、主権者である国民、住民との誠実な対話であり、対話を通じて、国民、住民の代表を選ぶといいう厳粛な営みです。

今回の選挙は、珍奇でまがい物の「地方自治」ではなく、本物の地方自治を実践できるかどうかが問われる、という論点も忘れてはいけないと思います。

私は、これまで、ほかの候補への批判は慎んできましたが、きょうは、公開討論会の日でしたので、他の候補に対する私なりの見方を記すことにしました。


2013年9月14日
から 久元喜造

カスミサンショウウオの放流

きのう、記者発表を行った「久元きぞう 政策 「輝ける未来創造都市」 」の内容を、ウェブサイトにアップしました。

記者発表の内容については、各紙が取り上げていただきました。
神戸新聞では、一面と、神戸面(25面)に掲載されました。

記事が掲載されていた神戸面を読んでいますと、私の記者発表の記事の下に、カスミサンショウウオの放流について記した記事が目に留まりました。

北区 君影小学校 の6年生が、13日、学校内を流れる谷川に、カスミサンショウウオを放流した、という内容です。
カスミサンショウウオは、県のレッドデータブックでBランクに指定されている希少な両生類です。
理科の佐藤安紀教諭が今年2月に、谷川の源流で卵塊を発見されたそうです。水槽で70~80匹を孵化させることに成功、すでに2回放流されています。
13日は、最後まで飼育していた4匹のうち、体長3センチほどの3匹を、卵があった水たまりに戻しました。

子どもたちは、この小さな命が、さまざまな危険や困難をくぐり抜け、谷川が残る自然の中で、たくましく育っていってほしい、と願いながら、見送ってくれたに違いありません。

放流を見送る子どもたちと先生の写真とともに、心温まる記事を書いてくださった、神戸新聞の阿部江利記者に感謝を申し上げたいと思います。


2013年9月13日
から 久元喜造

政策の記者発表を行いました。

きょうは、午後2時から、神戸市役所の記者クラブで、神戸市長選挙に向けての政策の記者発表を行いました。
130913

今回、発表した「久元きぞう の政策」は、6月7日、出馬表明したときにお示しさせていただいた項目に、肉づけをしたものです。
タイトルは、「輝ける未来創造都市」としました。

神戸は、1995年の阪神・淡路大震災以来、震災からの復旧・復興に全力を注いできました。そして、平成13年に矢田立郎市長が就任されてからは、財政再建団体への転落の回避を至上命題として、断固たる決意で行財政改革が進められてきました。
財政再建は成功し、神戸市財政は、指定都市の中で、遜色のない水準まで回復しました。

震災からの復旧・復興と財政再建は、避けて通ることができない課題でした。困難な道のりだったと思います。

こうして、神戸は、今、未来を語ることができるようになりました。むしろ、未来を語り、未来を自ら創造しなければならない段階に立ち至ったと思います。

きょうお示ししました政策を貫くキーワードは、「未来」です。
神戸は、未来を創造する都市でありたい。
そして、輝ける都市でありたい。
未来を創造することによって、輝き続ける都市でありたい。
神戸の「新しいステージ」は、未来を創造する都市であることです。

都市間競争の中で、神戸が、日本を代表する大都市として名誉ある地位を占め続けるためには、未来を見据えた都市づくりを行っていかなければなりません。
新神戸駅からフラワーロードを南下し、三ノ宮駅周辺を大きく取り込み、ウォーターフロント、元町、旧居留地、元町商店街、さらにはハーバーランドをにらんだ将来ビジョン「神戸未来都市創造プロジェクト」を進めます。

人口が確実に減少する「未来」も見据え、人にやさしい、新時代の交通ネットワークを形成します。

そして、「未来」の主役は、こどもたち。
こどもの医療費を速やかにゼロにするなど、子育て、教育に全力で取り組みます。

神戸の未来は、環境分野でも、最先端を走り続けたい。
最先端の技術を磨き、活用して、「環境貢献都市 KOBE」をめざします。

これらの政策は、必ず、自分の手で、実現します。

 

 


2013年9月12日
から 久元喜造

知の集積 ~教育先進都市・神戸~

神戸は全国有数の大学集積都市としての特色を持っています。

神戸大学、甲南大学をはじめ、学園都市に集う個性豊かな大学群(神戸市外国語大学、神戸芸術工科大学、神戸市看護大学、兵庫県立大学、流通科学大学)、平成19年にポートアイランド西岸部にできた新キャンパス(神戸学院大学、兵庫医療大学、神戸夙川学院大学)など、全国から多くの学生が集い、世界に通用する人材の育成を図っています。
神戸は、学生が活発に躍動するまち。大学の力を活かし、産・学の連携に行政が効果的に関わることで、新たなものが生まれる、そんな可能性をたくさん秘めています。

一方、大阪は、大学機能を郊外へ移転させてきたことにより、世界的にも珍しい「学生の少ない大都市」となっています。都市機能として、「大学」という「知の集積」を欠いていることは、大都市として、ハンディを抱えているとも言えます。

このような神戸と大阪の「知の集積」の違いは、年齢別人口の違いにも現れています。神戸は、以前から、20才から24才の人口が突出しているのですが、大阪には、そのような傾向は見られません。
むしろ、近年の大阪市の年齢別人口動向を見ると、25才以降の人口の増加傾向が見られるようになっています。
神戸を含め、大阪以外の大学を卒業した学生が、大阪に就職するという傾向が窺えます。

せっかく神戸にこれだけの大学が立地しているのですから、神戸で就職したいという若者の願いが叶えられるような、雇用機会の拡大を図っていきたいものです。

知の集積は、まちの魅力の大きな要素です。これからは、神戸で育った人材に神戸で能力を発揮してもらえるよう、神戸で活躍できるフィールドを生み出す取り組みがもとめられています。