久元 喜造ブログ

失敗続きの区長、校長公募。

区長を民間から公募する、とおっしゃっている候補予定者がおられます。
残念ながら、実態を見ると、ほかの自治体では、問題が噴出し、失敗続きです。

とくに、鳴り物入りで導入された、大阪市では、問題事例が続出しています。
2012年8月、人材派遣会社役員出身のS区長は、就任直後、個人名義のツイッターで一般市民の批判的な声に「アホか、相当な暇人やな」と書き込み、口頭注意処分を受けました。
2012年11月、コンサルタント会社員だったT区長は、区長公募の際の論文で、差別としか受け取られないことを書き、大きな批判を浴びました。
2013年4月、経営コンサルタント出身のW区長は、市職員らに暴言を吐いたり、区長会議の欠席を繰り返すといった問題行為が続いたとして、人事室付に更迭されました。その後、公募時の経歴書や年金記録文書にも虚偽の記載が発覚し、分限免職処により辞めさせられています。
ごく最近のことですが、2013年9月、今度は、やはり民間出身のM区長が、部下の女性職員にセクハラ行為をしたとして、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けています。

このほか、民間から公募された校長でも、問題が相次いでいます。

2013年6月、4月に民間から登用されたばかりの校長が、「自分の経験やスキルを生かせる学校ではなかった」として、わずか3カ月足らずで辞職しています。この校長は、当時38才。それまでは、外資系証券会社に勤務されていたそうです。
今年の8月 やはり民間出身の男性校長(59)が、児童の母親ら3人に不適切なメールを送ったり、体に触ったりするセクハラ行為をしたとして、減給10分の1(6カ月)の懲戒処分を受けています。大阪市教育委員会は、9月11日付で、この校長をいったん更迭し、市教育センター付にして研修を受けさせた後、再び校長に復帰させる方針ですが、保護者などは強く反発しており、騒ぎは収まりそうにありません。

区長を民間から公募する、とおっしゃる候補予定者は、なぜ、このような失敗事例に学ぼうとはなさらないのでしょうか。