ノエビアスタジアム神戸。
ヴィッセル神戸、INAC神戸レオネッサ、神戸製鋼コベルコスティーラーズなど神戸を代表するトップチームのプレーが行われる、大事なスタジアムです。
とくに神経を使うのがフィールドに敷かれた天然芝です。
多くの技術者の力を得て、日々丹念に整備しているのですが、天然芝が健全に育つためには、適度な日照や風通しが必要です。
人には優しい最新鋭の屋根が、芝の成長には大きな影響をもたらし、開設以来、芝との格闘が繰り広げられてきました。
昨年は状態がとくに夏に悪化したため、今年は、天然芝の育成・確保のための特別の予算を計上し、6月には「夏芝」に、9月には「冬芝」に張り替える作業を実施いたしました。
しかし、現在の方式では張り替え作業時にスタジアムが使用できなくなり、毎年多額のコストを要するという問題があります。
そこで、次のステージとして、欧州で使われている「ハイブリッド芝」の導入に向けた実証実験を開始しました。
「ハイブリッド芝」とは、天然芝のフィールドにきめ細かな間隔で人工繊維を埋め込み、天然芝の根を絡ませて芝生の強靭化を図るものです。
これに合わせて、照度不足の解消のために照明装置による照射を行い、さらに、地中に埋設された配管により温水や冷水を通して地中の温度を操作する「地温コントロールシステム」を採用します。
少しでも良好なピッチコンディションを実現するため、来年にかけて「ハイブリッド芝」の実験を続行し、本格導入につなげていきたいと考えています。