久元 喜造ブログ

2017年9月28日
から 久元喜造

市長選挙に向けての政策の発表


きょう、午後3時から、市役所で、10月22日行われる神戸市長選挙に向けての政策を発表しました。
記者のみなさんからの質問が相次ぎ、会見は予定時間を大幅にオーバーし、午後4時半に終了しました。

私は、市長就任以来、4年近くにわたり、神戸を安定した成長軌道に乗せるため、全力で取り組んできました。
震災20年が過ぎ、開港150年という大きな節目を迎えた今、神戸は、変革の扉の先にある輝かしい未来に向かって、確かな歩みをすすめています。
今、神戸は変わりつつあります。
今、起きつつある変化を確実に進化させ、時代の変化に対応した新たな種子をまき、それらを育てる努力を続け、神戸を「さらなる高み」に押し上げていきます。
未来の世代が過度な負担を背負い込むことがないよう、持続可能な大都市経営を行っていきます。

政策の柱は、次の6本にまとめました。

Ⅰ 守ろう! 健康・安全
Ⅱ 輝け! 子供たち
Ⅲ 創ろう! 街と地域
Ⅳ 伸ばそう! 神戸経済
Ⅴ 創ろう! 陸・海・空の拠点
Ⅵ 進めよう! 市政改革

具体的には、リンク先の私のウェブサイトをご覧いただきますよう、お願い申し上げます。
今回の市長選挙は、初めて衆議院議員選挙と同日選挙として行われますが、きょう発表した政策を愚直に訴え、市民のみなさんに理解していただけるよう、最大限の努力を傾けます。


2017年9月25日
から 久元喜造

新著『神戸市の挑戦 持続可能な大都市経営』


地方創生など幅広くご活躍中の増田寛也さんとの対談です。
増田寛也さんにはじめてお会いしたのは、もう30年近く前のことで、増田さんは旧建設省の企画官、私は旧自治省の課長補佐でした。地域振興のための法案をめぐって各省が対立し、増田さんと私は膝詰めで調整に当たりました。
それ以来、いろいろとご指導をいただいてきました。
増田さんは、若くして岩手県知事に当選され、3期つとめられた後、第1次安倍内閣、福田内閣で総務大臣をつとめられたとき、私は、選挙部長、自治行政局長としてお仕えしました。
そのようなご縁もあり、現在、神戸市顧問をお願いし、神戸市の政策展開に対してアドバイスをいただいています。

今回出版した対談は、神戸を例に取り上げ、いま大都市で起きている課題と解決の方向性について論じたものです。
大都市で生起している事象は、我が国の社会経済の抱える課題を鮮明に映し出しています。

本書では、大都市が抱える課題について、我が国全体を通じた、あるいは大都市内部における人口動向を概観した上で、都市空間、産業・雇用、社会保障などの政策展開を論じます。
キーワードは「持続可能性」です。
最悪のシナリオを想定し、そこからの回避を考えるアプローチを加えながら、「持続可能な大都市経営」とは何かを考えます。
財政の持続可能性はもちろん大事ですが、持続可能な大都市経営のためには、市民、企業、行政の間の協働関係を創り上げることが不可欠です。
どのようにして生き生きとした協働関係を構築できるかは、その自治体の持続可能性と将来への発展可能性に大きく影響すると信じます。


2017年9月21日
から 久元喜造

三宮再整備は何のために。


三宮には、JR、阪急、阪神、地下鉄西神山手線、同海岸線、ポートライナーの6つの鉄道駅があります。
神戸の玄関口にこれだけの駅が集まっていることは、大きな強みです。
しかし現状を見ると、それぞれの駅のコンコースは、地下であったり、地上部であったり、2階や3階とばらばらで、乗り換え動線がたいへんわかりにくい状況にあります。
また、バスターミナルも分かれている上に、遠距離バスの停留所と市内の近距離バスの停留所が入り乱れて配置され、市民のみなさんですらよく迷うという話を聞きますし、来街者や観光客にはまったく不親切です。

三宮の再整備は、不便な現状を改めるため、公共交通と歩行者優先の空間を創出するとともに、バスの乗降場を集約し、バスターミナルを整備しようとするプロジェクトです。
利便性が高く、快適であると同時に、神戸らしい景観が備わった空間に整備していこうとするものです。

このように、三宮の再整備は、巨大開発を進めるためでも、商業床を大量に供給するためでもありません。
政府の成長戦略に足並みを合わせるための施策でもありません。
日本を代表する大都市・神戸の玄関口としてふさわしい姿にしていために進めているものです。

三宮の再整備は、市だけでできるものではなく、民間の知恵と力が必要です。
丁寧にご意見をお聞きしながら、スピーディーに進めていきます。
三宮が生まれ変わることにより、あるいはその過程で、民間の投資活動が誘発され、神戸経済の活性化につながると信じます。


2017年9月14日
から 久元喜造

「暗雲」払いのけ、神戸空港は視界良好。

015年1月28日、神戸空港を拠点空港としている スカイマーク が経営破たんし、民事再生法の適用を申請しました。
当時の新聞記事を改めて読みますと、神戸空港に暗雲がたれこめている、というトーンの記事が目立ちます。

見出しも暗いです。
神戸空港 暗雲どう払う
神戸空港 曇る先行き
赤字の神戸空港 ピンチ
中には、「神戸空港「廃港」も現実味」という見出しもありました。

マスコミ報道の暗い見通しは外れ、スカイマークは、2016年3月、民事再生手続きを終結させました。
債権者への弁済が計画どおりに終わったのです。
経営破綻から1年2カ月で法的な処理を完了したことになります。
佐山展生代表取締役会長、市江正彦代表取締役社長をはじめスカイマークの経営陣のみなさまのご努力に敬意を表します。

最近の記事は、スカイマークの明るい動静を伝えています。
搭乗者 8年ぶり260万人超 スカイが貢献
スカイマーク 路線拡大へ

昨日の神戸新聞朝刊も、
神戸空港 8月搭乗率が最高 86.9%、スカイマークけん引
との見出しで、「搭乗率と搭乗者数は、7月まで4か月連続で各月の過去最高の更新するなど高水準で推移している」ことを報じていました。

おかげさまで神戸空港、スカイマークとも視界良好です。
これまでの方針に基づき、就航各航空会社とともに、粛々と、かつスピーディーに、神戸空港の利活用を進めます。


2017年9月9日
から 久元喜造

KIITO「minneのアトリエ 神戸」の歩み


minneのアトリエ神戸」が、2016年(平成28年)4月、中央区のウォーターフロントの KIITO に開設されてから、1年半近くが経とうとしています。
㈱GMOペパボ が運営する minne(ミンネ) は、自宅にいながら、趣味や特技を活かした作品を商品化して販売し、収入が得られるオンラインマーケットです。

「minneのアトリエ神戸」は、関西を拠点として活躍するハンドメイド作家が集い、ハンドメイドに興味のある方々を支援する支援拠点として、KIITO の2階に開設されました。
国内で2か所目の支援拠点です。

価格のつけ方・写真の撮り方などをレクチャーする会員向けの勉強会が毎月3、4回ほど開催されています。
毎回9人の定員に対し、3倍以上の申し込みがあるとのことです。
人気作家を招いた作品展やイベント、交流会なども開催されてきました。
アトリエの開設をきっかけに、神戸女子大学の学生さんたちとminneの作家さんとのコラボによる物づくり企画などが生まれています。
6月上旬には、アトリエ開設1周年を記念したトークイベント、minneの作家交流会が、神戸に本社がある国内通販大手の㈱フェリシモさんとのジョイント企画として開催されました。

KIITO の中に今春オープンした新しい賑わい創造空間「フェリシモステージ」が会場となり、ハンドメイドに関心のある多くのみなさんが来場されたとお聞きしています。

先日も外から覗かせていただきましたが、今後の展開が楽しみです。


2017年9月4日
から 久元喜造

玉一アクアリウム「魚類図鑑」


先日、市役所で環境功労章をお送りしました団体に、「玉一アクアリウム」があります。
明石川を守り育てる活動をしている小中高生のグループです。

表彰式の後、「明石川魚類オリジナル図鑑 2017年改訂版」をプレゼントされました。
開いてみて、驚きました。
明石川に生息する魚たちが写真、イラストとともに紹介されているのですが、その数は何と50種類近く。
たくさんの種類の魚たちが生息していることがわかります。

河口には、アカエイがいます。

ニホンウナギは、上流には少ないながら成魚が、河口にはたくさんの幼魚がいるそうです。

準絶滅危惧種のヤリタナゴも最近見つかったそうです。
うれしいですね。

拙著「ひょうたん池物語」にも登場するドンコもいます。

有害外来魚であるオオクチバス、ブルーギルの駆除に積極的に取り組み、料理して食用にしているとのことでした。


このような活動の結果、有害外来魚が減り、在来の魚が増えていると書かれてありました。
とても素晴らしいことだと思います。

すべてのページに目を通しましたが、単なる解説ではなく、それぞれの魚たちの最近の生息状況について、実体験に基づいて記されていて、感銘を受けました。
この素晴らしい活動を後輩たちに引き継ぎ、明石川をさらに魚影の濃い豊かな川にしてほしいと願っています。


2017年8月31日
から 久元喜造

朝日新聞・社説の誤解を解くために


朝日新聞・社説(2017年8月17日)は 「関西3空港 一体運営で浮揚を」という見出しを掲げつつ、神戸空港についてこう記しています。

「42年間の運営権の対価として市が得る基本額は191億円。空港島の造成などで投じた総事業費3140億円の1割に満たず、多額の借金が当面残る」
「当面」と書いてくれてはいますが、読者は、9割以上の借金が神戸市財政にのしかかり、遠い将来に先送りされるか、市民の税金による埋め合わせを余儀なくされる、と受け止めることでしょう。
そうでないことは、 2017年8月18日のブログで書いたとおりですが、神戸市としても、この社説が引き起こす誤解を解きたいと考え、ウェブサイトで、きちんと説明することにしました。
もともと、空港のような公共事業には住民の税金の投入が想定されており、ほかの地方空港もそうなっているのですが、そもそも神戸空港の整備には、税金は投入されていません。
神戸市ウェブサイト・「変わる神戸」特別編

朝日新聞社説は、「市民の強い反対運動」を「押し切っ」て、空港を建設したとし、「運営権売却で過去のツケが消えるわけではない」「市は責任を改めて重く受け止めるべきだ」と主張しますが、的外れな批判です。
市民の意見が分かれる中、神戸空港の建設に踏み切ったのは、当時の神戸市の英断であったと思います。
難しい判断だったと想像しますが、この政策決定があったからこそ、現在の神戸空港があるのです。
私は、市民のみなさんをはじめ、各方面にきちんとした説明責任を果たした上で、三空港一体運用を実現させ、関西全体の浮揚に貢献していくことが神戸市政の「責任」であると考えます。


2017年8月29日
から 久元喜造

真夏にジビエを楽しむ。


先日、兵庫県猟友会神戸西支部のみなさんと、有害鳥獣対策について、懇談する機会がありました。
供されたのは、イノシシとシカの肉を使った料理です。
イノシシ肉の焼き肉、ボタン鍋、シカ肉の燻製などが出されました。

どれもたいへんおいしかったです。
今まで、「イノシシ肉は冬に楽しむもので、夏は臭くて食べられない」とさんざん聞かされてきました。
しかし、この日いただいたイノシシ肉は、臭みはまったくありませんでした。

ボタン鍋も、あっさりしていて、みそ仕立ての汁には深い味が出ていました。
捕獲後の処理、料理方法が見事であったことも大きいと思いますが、「夏のイノシシも食用にできる」ことを、身を以て実感しました。

懇談の中では、最近のイノシシ、シカの出没や捕獲状況についてお話を伺いました。
捕獲作業についても、今まで知らなったご苦労がおありになることがわかりました。
神戸市が行っている狩猟免許取得に対する助成の効果もあり、会員が大きく増えているとお聞きし、とてもうれしかったです。
吉岡勝則支部長をはじめ、西支部のみなさんのご努力に感謝申し上げます。

懇談に先立って、松下勇人さんが代表をされている梨園「三水園」にお邪魔し、梨の栽培の模様を見学させていただき、梨農家のみなさんとお会いできました。

懇談会の中では、梨を使ったソース「リンジャンソース 梨醤」も出されましたが、驚くほど美味しく、このソースだけで、酒のアテになります。

イノシシの焼き肉にかけると、絶品の味わいでした。
最近、「道の駅  Farm Circus」でも好評を博しているのにも納得です。


2017年8月27日
から 久元喜造

呉座勇一『応仁の乱』

中世史の新書としては、30万部を越す異例のベストセラーで、どこの書店に行っても、平積みです。
売れるからには、分かり易い本なのだろうと簡単に考えて読み始めましたが、「第1章 畿内の火薬庫、大和」で早くも難渋し始めました。
とにかく夥しい数の人物、地名が登場するのです。
繰り返し前に戻って人物を確認しながら読み進めましたが、正直、何度も挫折しそうになりました。

本書の基本資料は、 奈良の興福寺の門主、経覚と尋尊が残した日記です。
まず初めに登場するのは、二人の高僧が連なる摂関家のほか、学侶、衆徒、六方、国民などの僧侶です。
僧侶の多くは武装集団であり、応仁の乱の中でも重要な役割を果たしました。

そして、足利義持、義教、義政、義視、義尚、義材など足利家将軍たち、細川勝元、山名宗全などの諸大名、大名の配下にあり、あるいは独立した動きをする武士たち、貴族など膨大な数の人物が登場し、戦乱の舞台も、大和、京のほか、山城、越前、備前、伊勢など各地に及び、複雑な動きが丁寧につづられていきます。

骨肉の争いが随所に登場し、裏切り、謀殺は日常茶飯事で、土一揆も頻繁に登場し、全体を掌握する者が不在のうちのまま、応仁の乱は長々と続いたのでした。
しかし、ひらすら殺戮のみが時代を覆ったのではなく、在京武士は、貴族や五山の僧とともに、連歌や茶の湯を楽しむなど京での文化的生活を謳歌したのでした。

乱の経過を理解するのには骨が折れましたが、「第7章 乱後の室町幕府」「終章 応仁の乱が残したもの」は分かり易く、この有名な大乱が日本をどう変えたのかを理解することができました。


2017年8月24日
から 久元喜造

『ひょうたん池物語』重刷御礼!


お陰様で、拙著『ひょうたん池物語』(神戸新聞総合出版センター刊)が、重刷となりました。
お読みくださいましたみなさま、ありがとうございます。

ときどき、どこで買えるのですか、と尋ねられます。
アマゾンでも購入できますが、市内では、以下の書店に置いてありますので、お立ち寄りの折にご覧いただければ幸いです。

ジュンク堂書店(三宮店、三宮駅前店、住吉店、舞子店、神戸さんちか店、明石店)
紀伊國屋書店(神戸店、加古川店)
喜久屋書店(西神中央店、神戸学園都市店、新長田店、須磨パティオ店)

また、「NPOメダカのコタロー劇団」が、「ひょうたん池物語」を「子ども絵本劇場」で取り上げてくださいました。
脚本は、kei.コタローさん、作画は、上田真輝さんです。
声優の原愛紗実さん、難波克也さんによる上演を動画で拝見しましたが、まさに迫真の演技でした。
ありがとうございます!!!