地方創生など幅広くご活躍中の増田寛也さんとの対談です。
増田寛也さんにはじめてお会いしたのは、もう30年近く前のことで、増田さんは旧建設省の企画官、私は旧自治省の課長補佐でした。地域振興のための法案をめぐって各省が対立し、増田さんと私は膝詰めで調整に当たりました。
それ以来、いろいろとご指導をいただいてきました。
増田さんは、若くして岩手県知事に当選され、3期つとめられた後、第1次安倍内閣、福田内閣で総務大臣をつとめられたとき、私は、選挙部長、自治行政局長としてお仕えしました。
そのようなご縁もあり、現在、神戸市顧問をお願いし、神戸市の政策展開に対してアドバイスをいただいています。
今回出版した対談は、神戸を例に取り上げ、いま大都市で起きている課題と解決の方向性について論じたものです。
大都市で生起している事象は、我が国の社会経済の抱える課題を鮮明に映し出しています。
本書では、大都市が抱える課題について、我が国全体を通じた、あるいは大都市内部における人口動向を概観した上で、都市空間、産業・雇用、社会保障などの政策展開を論じます。
キーワードは「持続可能性」です。
最悪のシナリオを想定し、そこからの回避を考えるアプローチを加えながら、「持続可能な大都市経営」とは何かを考えます。
財政の持続可能性はもちろん大事ですが、持続可能な大都市経営のためには、市民、企業、行政の間の協働関係を創り上げることが不可欠です。
どのようにして生き生きとした協働関係を構築できるかは、その自治体の持続可能性と将来への発展可能性に大きく影響すると信じます。