久元 喜造ブログ

2018年5月24日
から 久元喜造

葺合警察署「イノシシ」ポスターに拍手!


何日か前、新神戸駅前の 神戸芸術センター で開かれたリサイタルを聴きに行くため、阪急・春日野駅で下車、ぶらぶら歩きました。
その途中、掲示板に貼ってあったのが、イノシシへの注意を促すポスターでした。
このあたりでもイノシシが出没することを、改めて認識しました。

それにしても、このポスター、よく出来ていると感心しました。
「出た!」「いのしし」
とてもインパクトがあります。
イノシシが「危険な動物」だというメッセージが伝わってきます。

「絶対に追いかけない」
「エサは、やらないで」
市民への注意事項も明確ですし、「ぷぃ」と、ユーモアも感じられます。

「自然の動物は、自然のままに!!」
まったくそのとおりで、見識ある警告です。

このように、このポスターには無駄な言葉がなく、明確なメッセージや必要な情報が限られたスペースに盛り込まれています。
連絡先も、明記されています。
デザインなどから見て、ほとんどお金をかけていないと思われるのに、素晴らしい出来栄えです。
ひょっとしたら、署員の方の手づくりかもしれません。

デザイナーを入れて金をかけているのに、出来上がったものを見ると、きれいなだけで何が言いたいのかさっぱりわからない、というポスターやチラシもあるので、このポスターは大いに参考になります。

警察署のみなさんがイノシシ対策の面でも市民の安全に貢献していただいていることに、感謝申し上げます。
欲を言えば、神戸市の「有害鳥獣ダイヤル」(078-333-4408)についても記載していただければ最高でした。
神戸市関係部局と警察ご当局との連携を、さらに強化していきたいと思います。


2018年5月21日
から 久元喜造

崎谷明弘ピアノ・リサイタル


昨日の夕方は、「神戸まつりメインフェスティバル」の終了後、松方ホール で開催された、崎谷明弘さんのピアノ・リサイタルにお邪魔しました。
平成28年度神戸市文化奨励賞を受賞された若手ピアニストです。
プログラムに好きな曲が多かったこともあり、楽しみに伺いました。

前半は、ハイドンのピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI:49 、そして、リストのロ短調ソナタです。
リストのソナタでは、目が眩むような技巧が圧倒的な迫力で繰り広げられましたが、崎谷さんは、決して力で音楽をねじ伏せようとはしません。
繰り返し反復される音楽の静まりもとても美しく、聴衆を魅了しました。

後半は、ドビュッシーの「喜びの島」に続き、 ベートーヴェンのピアノソナタ ト長調  op.14-2  をはさんで、シューマンの「フモレスケ」。
「フモレスケ」は、シューマンの情熱的な「フロレスタン」的要素、そして瞑想的な「オイゼビウス」的要素(シューマン『音楽と音楽家』)が交錯しますが、そのようなシューマンの音楽の魅力がこの上ない完成度で浮き彫りになった名演でした。
素晴らしい演奏に没入したリサイタルでしたが、プログラム全体を通して聴いた一愛好家の感想としては、ベートーヴェンのソナタが最も心に染み入りました。

今日のリサイタルは、高校生以下が無料で、小中学生と思しき姿もありましたが、聴き手は演奏に集中し、緊張感みなぎる濃密な音楽空間が現出しました。
崎谷さんのファンは確実に広がりを見せているようで、今後ますますのご活躍を期待しております。


2018年5月18日
から 久元喜造

マッキンゼー社のアジア拠点が神戸に。


既に報道されているところですが、昨日の 定例記者会見 でも申しあげたとおり、マッキンゼー・アンド・カンパニー のラーニングセンターが神戸に開設されることになりました。
同社は、申すまでもなく、世界を代表するコンサルティング会社です。
アジアでのコンサルティング業務が拡大している現状を踏まえ、香港やシンガポールなどの海外の大都市も視野に入れながら研修拠点の開設を検討されてきましたが、このほど神戸に決定しました。
米国、オーストリアに次ぐ、世界で3か所目の拠点となります。
拠点となるラーニングセンターは、ANAクラウンプラザホテルとホテル直結のオフィスビルのスペースの中に、約3,000平方メートルの規模で、今年の秋頃の開設が予定されています。

同社は世界中に約2,000人のコンサルタントを擁し、大体12カ月から18カ月に1回、1週間程度の研修が行われるとお聞きしています。
講師陣として、ビジネス、学界など約650名の多彩な方々が指導に当たられます。
世界中から優れた人材が恒常的に神戸に集まって来られることは、たいへんありがたいことです。
社内向けの研修拠点ではありますが、可能な範囲で、神戸の経済界、学界、行政関係者との交流や連携も模索していきたいと思います。

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社は、学生のみなさんの就職先として抜群の人気があります。
今回の決定は、神戸のブランド力の向上にも資するところが大きいと感じています。
同社のみなさま、交渉をご支援いただきましたみなさまに、心より感謝申し上げます。


2018年5月16日
から 久元喜造

札幌とのご縁


昨日、札幌市で「指定都市サミット」が開催され、参加しました。
私は、1992年4月から1995年7月まで、札幌市役所に財政局長として勤務したことがあり、懐かしい想いを抱きながら、ずいぶん久しぶりに札幌を訪れました。

札幌在勤中の、1995年1月17日、地震が起きました。
テレビで次々に映し出される光景を見て、号泣しました。
故郷から遠く離れ、このような非常時に何の役にも立てないことが悔しく、情けない想いでいっぱいでした。
札幌市役所のみなさんは、神戸のために義援金を集めてくださり、私は、当時の杉田文夫収入役にお送りしました。

一昨日は、当時いっしょに働いたみなさんが、遅い時刻にもかかわわらず、薄野の老舗酒庵「五醍」で歓迎の宴を開いてくださいました。
それぞれ重責を担い、秋元市政をしっかりと支えておられます。
昔話や今の札幌市政についての話題に花が咲き、とても楽しいひとときでした。
「財界さっぽろ」も健在のようです。

神戸と札幌のご縁を感じる共通点のひとつが、スイーツです。
5月8日(火)には、ノエビアスタジアム神戸で、『スイーツマッチ2018』のプレス向けイベントが開催され、私も参加しました。

札幌の石屋製菓㈱石水創社長が来神され、㈱シュゼットの蟻田剛毅社長とのトークショーが行われました。
石屋製菓㈱は、銘菓「白い恋人」で知られ、㈱シュゼットは、「アンリ・シャルパンティエ」を神戸をはじめ幅広く展開しておられます。

スイーツをはじめいろいろな分野で、神戸と札幌のご縁が深まっていくことが楽しみです。


2018年5月13日
から 久元喜造

財務官僚の奮起を期待します。


神戸在住の作家、真山仁 さんの『オペレーションZ』を紐解きました。
財務官僚が数多く登場します。
事務次官、官房長、主計局長、大臣官房参事官、広報室長、IMFに出向した女性課長補佐、総理大臣官邸に出向中の若手官僚・・・
それぞれ個性は違いますが、彼ら、彼女らには、自分たちが国家を担っているのだという強烈な自負があります。
財政破たん寸前の日本を救うべく、登場人物たちがどのように行動し、物語がどんな結末を迎えるのか、楽しみです。

最近、財務官僚への風当たりが強くなっています。
小説と現実の世界は違うのでしょうが、財務官僚のみなさんは、わが国財政の現状に大きな危機感を持ち、どう対処していくのかを真剣に考え、行動に移してくれているはずです。
一部の幹部の行動には憤りを禁じ得ないものはありますが、だからと言って財務官僚全体を吊し上げ、不可解な満足を感じるような風潮は疑問です。
これで財政再建の道筋が遠のくとかいった論調に至っては、的外れというほかはありません。

わが国財政を持続可能なものとし、将来世代に過大な負担を押し付けないようにするためは、財政再建への取組みが必要です。
そして財政再建は、財務省のためではなく、国民のために求められるのであり、財政再建の責任を財務官僚のみに押し付けるべきではありません。
最終的な責任は、政治にあります。
財務官僚のみなさんには、委縮することなく、誇りを持って自らの任務を全うしてほしいと願います。
政治と行政がそれぞれの役割を果たし、緊張関係を維持しながら、しっかりと手を携え、財政と社会保障の持続可能性を回復させる努力が求められます。


2018年5月10日
から 久元喜造

献血車中での職員との会話


先日、市役所前で献血キャンペーンがあり、私も参加しました。
献血車の中の待合椅子で、20代と思しき若い職員と隣り合わせになりました。
市内の比較的遠方の出先機関に配属されている職員でした。
彼は大きな布袋を持参し、その中にはたくさんのファイルや書類が入っていました。
訊くと、書類に市長印を押すために市役所に来たのだそうです。
採血の順番が回ってきたので、それ以上詳しくは聞けませんでしたが、おそらく関係の決裁文書を持参し、市長印を保管している課に示して、1枚ずつ市長印を押して帰るのだろうと想像しました。

彼が所属する出先機関まで市役所から片道約1時間。
重い荷物を抱え、電車を乗り継いでの往復は、職員にとって苦痛のはずです。
やり方を変えれば、彼はもっと有意義な仕事をすることができるでしょう。

こんな仕事の仕方をいつまで続けているのかと、頭を抱えてしまいます。
大半の決裁は副市長以下が専決しており、私がこれらの文書を見ることはありません。
市長権限を出先機関の長に委任するとか、市長印の印影を改ざんされない方法で電子的に作成し、これを出先機関で印字するとか、やり方はあるはずです。

似たような不合理は、神戸市組織の至る所にあるのかもしれません。
以前、北区役所の部長が北神出張所で決裁するために、鈴蘭台から岡場まで神戸電鉄に乗って出張を繰り返している、という話を聞き、北神出張所の北神支所への格上げを急ぎ、さらに来年4月に北神区役所を設置することにしました。
「業務改革」「働き方改革」を加速させていかなければなりません。


2018年5月7日
から 久元喜造

新開地・喜楽館、7月11日オープン!


新開地で整備が進められている 喜楽館 が、いよいよ7月11日(水)にオープンします。
かつて「東の浅草、西の新開地」と呼ばれ、国内有数の繁華街だった神戸の新開地。
落語や漫才の公演が毎日のように行われていた神戸松竹座が1976年に閉館して以来、約40年ぶりに落語や伝統芸能が毎日演じられる場が復活します。

喜楽館 のオープンは、新開地の活性化に長年取り組んでこられた、新開地まちづくりNPO が中心的な役割を果たされました。
高四代理事長をはじめNPOのみなさんのこれまでのご努力に敬意を表します。
上方落語協会 からも全面的なご支援をいただいていることもありがたいことです。

喜楽館 は、2階建て、客席の数は約200です。
建設費は、約2億7000万円。
国庫補助が約1億円、神戸市と兵庫県がそれぞれ5000万円を補助しました。

運営は、新開地まちづくりNPO が行います。
昼席は、上方落語の定席、夜は、上方落語のほか東京の落語家さんの独演会、浪曲、講談、漫才、踊り、ジャズのライブなどが行われます。
7月11日(水)のこけら落とし公演には、上方落語協会会長の桂文枝師匠をはじめ豪華な顔ぶれが出演されます。

喜楽館 のオープンは、新開地の活性化に大きく寄与すると期待されます。
この機会をとらえ、新開地駅から高速神戸駅までの地下通路のリニューアルも計画されています。
地域のみなさんとしっかりと手を携え、新開地の歴史と伝統を踏まえながら、新開地のにぎわいづくりに取り組んでいきます。


2018年5月4日
から 久元喜造

工藤律子『マフィア国家』


帯にこう書いてありました。
「2016年に殺人発生件数が、シリアに次ぐ2位となったメキシコ。何が起きているのか」

経済成長が続く中米の大国、メキシコの治安が悪いことは知っていましたが、本書を読み、改めてその深刻な状況を知ることができました。

筆者は、身の危険を感じながら、メキシコ各地を飛び回ってたんねんに取材し、インタビューを重ねていきます。
そこで繰り広げられているのは、治安の悪化を超えた「麻薬戦争」とも言うべき事態でした。
家族、友人を殺された数えきれないほどの人々の悲しみ、苦しみ、怒りが伝わってきます。
殺人とともに、膨大な数の失踪者が出ているという事態も深刻です。
その多くは女性で、麻薬カルテルによって誘拐され、性産業に売り飛ばされている実態があると見られます。

「麻薬戦争」は、社会の矛盾と密接にかかわっています。
麻薬組織が地域社会を牛耳っている地域では、貧困層の少年たちは、麻薬カルテルの下部組織に取り込まれやすいからです。
まともな仕事は少なく、多くの者は、家族、親せきなどを頼って、米国を目指します。
麻薬カルテルは、政党、中央政府、州政府、自治体、連邦警察、地方警察、軍隊の中にも入りこんでいます。
被害者が声を上げても、警察がなかなか捜査や調査に乗り出そうとしない実態が描かれます。
「麻薬戦争」が政治構造に根差していることがわかります。
閉塞感と諦めの中にあって、声を上げ、行動に移している人々がいます。

今年の7月1日には、大統領選挙が予定されています。
メキシコ国民がどのような選択をするのか、そしてその選択が困難な状況を変えていく動きにつながるのか注目されます。


2018年5月1日
から 久元喜造

中央区役所 引っ越し待ち時間が4分に。


3月から4月にかけての引っ越しシーズンは、どこの役所の窓口もかなり混雑します。
一昨年の暮れだったと思いますが、中央区役所に行く用務があり、転入・転出届を担当する市民課のフロアでエレベーターが止まったとき、目に入ったのは長蛇の行列でした。
引っ越しシーズンには一体どのようなことになるのか、たいへん危惧しました。
訊いてみると、日によっては、2時間待ちになることもあるなど、憂慮すべき事態でした。
どうしてこんな状況を放置してきたのか、理解できませんでした。

平成29年度は、外国人への対応を含め体制を強化しました(2017年2月17日のブログ)。
しかし、庁内の一部には「繁忙期なんだから来庁者に待ってもらうのは当たりまえ」という空気もあったので、今年初めの局区長会議で、区長以下組織を挙げて全力で対応するよう、強くお願いしました。

引っ越しの繁忙期がほぼ終息し、この間の中央区役所の待ち時間について報告を受けたところ、今年は平均約4分と、大幅に短縮されていました。

平成28年(3月22日から4月11日) 約64分
平成29年(3月21日から4月10日) 約30分
平成30年(3月19日から4月9日)   約4分

人事当局も体制の強化をバックアップし、区役所では窓口を増やすとともに、フロアの案内や表示にも改善を加えたということでした。

3月の終わりに、中央区役所市民課のフロアに行きましたが、幹部職員が窓口で陣頭指揮を執り、テキパキとした対応ができていました。
中央区役所関係職員のみなさんの労をねぎらいたいと思います。
今後とも改めるところはしっかりと改め、市民サービスの改善に努めていきます。


2018年4月24日
から 久元喜造

KOBE PRアンバサダー任命式


KOBE PR アンバサダー事業は、市内在住・在学・在勤の外国人のみなさんの中からアンバサダーを委嘱し、それぞれの目から見た神戸の魅力や神戸での生活を、SNSなどで発信していただく試みです。
きょうの午前中、市役所で、今年度、25名のKOBE PR アンバサダー任命式があり、あいにくの天気の中を20名のみなさんが出席してくださいました。
新規が16名、昨年度からの継続が9名です。
国別では、米国9名、英国とロシアが各2名、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイ、ニュージーランド、インド、イラン、カナダ、オランダ、スロベニア、ポーランド、モロッコが各1名です。

KOBE PR アンバサダーのみなさんには、神戸の中のさまざまなスポットを訪れていただき、いろいろな分野のみなさんと意見交換を行いながら、神戸のありのままの姿や魅力を発信していただきます。
使用される言語は、英語、中国語、ロシア語、フランス語のほか、ペルシア語、マレー語、タイ語、パンジャブ語、ヒンディー語、ウルドゥー語、タガログ語、オランダ語、ポーランド語、スロベニア語などです。

任命式には、この試みの発案者であるルイーズ・デンディさんの姿もあり、和気藹々とした雰囲気に包まれました。
私からは、お引き受けいただいたことへの感謝とともに、神戸のありのままを世界各地に届けていただくようお願いいたしました。
神戸への関心が大きく広がり、たくさんの来街者に結びついていくことを期待しています。