神戸在住の作家、真山仁 さんの『オペレーションZ』を紐解きました。
財務官僚が数多く登場します。
事務次官、官房長、主計局長、大臣官房参事官、広報室長、IMFに出向した女性課長補佐、総理大臣官邸に出向中の若手官僚・・・
それぞれ個性は違いますが、彼ら、彼女らには、自分たちが国家を担っているのだという強烈な自負があります。
財政破たん寸前の日本を救うべく、登場人物たちがどのように行動し、物語がどんな結末を迎えるのか、楽しみです。
最近、財務官僚への風当たりが強くなっています。
小説と現実の世界は違うのでしょうが、財務官僚のみなさんは、わが国財政の現状に大きな危機感を持ち、どう対処していくのかを真剣に考え、行動に移してくれているはずです。
一部の幹部の行動には憤りを禁じ得ないものはありますが、だからと言って財務官僚全体を吊し上げ、不可解な満足を感じるような風潮は疑問です。
これで財政再建の道筋が遠のくとかいった論調に至っては、的外れというほかはありません。
わが国財政を持続可能なものとし、将来世代に過大な負担を押し付けないようにするためは、財政再建への取組みが必要です。
そして財政再建は、財務省のためではなく、国民のために求められるのであり、財政再建の責任を財務官僚のみに押し付けるべきではありません。
最終的な責任は、政治にあります。
財務官僚のみなさんには、委縮することなく、誇りを持って自らの任務を全うしてほしいと願います。
政治と行政がそれぞれの役割を果たし、緊張関係を維持しながら、しっかりと手を携え、財政と社会保障の持続可能性を回復させる努力が求められます。