久元 喜造ブログ

世界銀行カンファレンス


黄金週間中の5月5日、世界銀行からお招きをいただき、ワシントン世界銀行本部で行われた「土地カンファレンス2025」で講演しました。
テーマは、「空間を形作る:土地利用と都市管理を通じた、経済と人口動態の変化への対応」です。
世界銀行からの招待状には、「経済成長、都市の高密度化、環境保全のバランスをとりながらまちづくりを進めてこられた神戸市の経験や戦略」から知見をいただきたいと記されていました。
そこで私からは、人口増加期、震災への対応、人口減少期において、神戸市がどのような街づくりを行い、土地利用を図ってきたかについてお話ししました。

山が海に迫り、可住地面積が狭い神戸において、1960年代から山を削って海を埋め立て、双方に確保された土地において、住宅地、産業団地などを整備する ― 「山、海へ行く」開発手法、そして突然の震災の後、大容量送水管の建設など都市の強靭化を図るべく実施したプロジェクトなどについて説明しました。

そして、2011年に始まった人口減少期においては、都心への過度な人口集中を抑制し、商業・業務機能の充実を図る見地からの高層タワーマンション規制、郊外における駅前リノベーションの推進などバランスの取れた街づくりに取り組んでいることを紹介しました。
持続可能な大都市経営の見地から、既存の都市インフラのほか空き家などの住宅ストックを有効に活用することの重要性を強調しました。

世銀のみなさんや参加者との意見交換では、神戸の震災とその後の対応に対する関心の高さがよく分かりました。
神戸の経験がグローバル世界において共有されるよう、今後とも情報発信と相互理解に取り組んでいきます。