久元 喜造ブログ

2016年8月8日
から 久元喜造

「すまいるネット」を是非ご利用ください。

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きょうの午前中は、三宮サンパルの神戸市すまいまちづくり公社にお邪魔しました。
すまいるネット」の窓口を訪れ、担当のみなさんから業務状況について、説明を受けました。
住まいに関するさまざまな相談を受け付けています。
相談専用電話 078-222-0005

住宅の購入・賃貸、リフォーム、バリアフリー化、耐震診断、マンションの管理組合の運営や大規模修繕などあらゆる分野に及びますが、最近とくに力を入れているのが、空き家の活用や管理についてです。
相談員がまず相談に乗り、ニーズに合わせた「活用支援事業者」が空き家活用をサポートします。
神戸市の固定資産税納税通知書に案内チラシを同封したところ、相談件数が急増したとのことでした。
こういうアイデアはたいへん大事です。

公社では、新長田再開発地区に建設を予定している兵庫県・神戸市合同庁舎への公社の移転について、いち早く賛同してくださった石井陽一理事長とも意見交換しました。


2016年8月6日
から 久元喜造

『大阪で生まれた女』ー私が好きな曲⑪

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BOROのこの曲は、二十代の頃から大好きでした。

踊り疲れたディスコの帰り
これで青春も 終わりかなとつぶやいて
あなたの肩をながめながら 
痩せたなと思ったら 泣けてきた

ディスコ通いの青春は送りませんでしたが、この歌には青春のエネルギーとほろ苦さがあり、カウンターでグラスを傾けながら、しみじみと聴いたり、歌ったりしたものです。

https://youtu.be/VtgtijaaQ7s

「大阪で生まれた女」は、恋人とともに東京に行くのか、生まれ育った大阪にとどまるのか、揺れ動きますが、結局、恋人に付き従うことにします。
大阪を後にする女にとり、活気あふれる大阪の街は、もはや追憶の対象であるようです。
現在を追想するかのようです。

大阪は今日も活気にあふれ
又どこからか人がくる
振り返るとそこは 灰色の街
青春のかけらを 置き忘れた街

少し前になりますが、BOROさんの奥様が市役所にお越しになり、サイン入りのCDを頂戴しました。
まさかBOROさんのサインをいただけるなんで、想像したこともなく、とてもうれしかったです。
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CDには、「酒と泪と男と女」「悲しい色やね」「六甲おろし」など大好きな曲が入っていて、雨の夜などにグラスを傾けながら愛聴しています。


2016年8月3日
から 久元喜造

神戸へのオフィス誘致

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神戸へのオフィスの誘致は、製造拠点や研究開発機能の誘致とともに、大事な課題です。
とりわけ東京に本社を置く企業で、西日本に拠点を置くことを考えておられる企業に対し、「神戸という選択肢」を提示することは大切です。
このほど新たなパンフレットも作成し、神戸のオフィス環境をわかりやすくお示しすることにしました。
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神戸の強みの一つは、電車、地下鉄、ポートライナー、六甲ライナーなどで快適に移動できることです。
神戸の三宮は、大阪駅から約20分。
東京から横浜の関内までは約40分ですから、その近さは際立っています。
東京駅から都庁までの時間とさして変わりません。
三宮は、神戸空港まで、ポートライナーで18分。
「関西で一番東京に近いオフィス集積地」と言えます。

便利な割に、賃料も割安です。
また、上下水道料金は、20の政令指定都市の中で一番低い水準です。
子どもさんの教育環境という面では、市内には、24の大学があり、個性あふれる私立の中学、高校、公立高校に恵まれています。

オフィス移転に対するインセンティブも豊富に用意しています。
企業拠点を23区から神戸市に移転する場合には、国の制度による支援措置があります。
国の制度の対象とならない既存市街地のエリアに対しては、神戸市単独の補助制度を設けています。

首都圏でオフィス立地セミナーを開催するなど、積極的に神戸の魅力を広く発信し、オフィスの集積による経済の活性化に、これまで以上に取り組んでいきます。


2016年7月30日
から 久元喜造

五百旗頭真『大災害の時代』

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五百旗頭真先生は、「日本列島の地震活動は活性期に入った」との認識の下、関東、阪神・淡路、東日本の三つの大震災のあとをたどり、日本社会の地震に対する歴史性とその問題を明らかにすることを試みられました。

関東大震災については、被害の惨状とともに、当時の政府をはじめとする行政機関の対応について、詳しく触れられています。
とりわけ、「自警団」による虐殺の実相と背景はどのようなものだったのか、後藤新平による復興構想は、政争にどのように翻弄され、何を東京に残したのかについての記述は興味深いものがありました。

阪神・淡路大震災については、改めて、先生ご自身の経験を織り交ぜながら、当時の状況が活写されています。
また、東日本大震災の章では、とりわけ福島第一原発の事故に当たり、献身的な現場力によって救われたことが、改めてよく理解できました。

「それにしても、大災害の時代はなぜかくも私に寄り添うのか」
と、五百旗頭真先生は、あとがきの中で記しておられます。
先生は、阪神・淡路大震災でご自宅は全壊となり、かけがえのないゼミの学生を失われました。
東日本大震災では、政府に請われて、復興構想会議の議長に就任され、指導的な役割を果たされました。
そして、熊本県立大学の理事長に就任されてしばらくして、熊本は今回の地震に見舞われたのです。

ご自身のご経験を踏まえて執筆された本書の筆致は力強く、熱い想いがひしひしと伝わってきました。


2016年7月26日
から 久元喜造

「ポケモンGO」などスマホの進化に対する対応

昨日は、定例記者会見 で、「ポケモンGO」などスマホの進化に対する神戸市の対応について発表しました。
「ポケモンGO」には、いわゆる拡張現実(Augmented Reality)に関する技術が最大限応用されていますが、このサービスは、新たなコミュニケーションの場を生み出し、ビジネスの展開や観光など地域の活性化に関する新たな可能性を創り出す一方、危険個所への立ち入りや歩きスマホによる事故などを誘発させるおそれもあります。

「ポケモンGO」に象徴されるスマホの進化は、いわば私たちにとり未知の領域に属します。
衆知を結集し、今後どのような展開が予想されるのかを調査分析し、安全・安心、地域の活性化、子育て、教育など多様な観点から、自治体として適切に対応していくことが求められています。

そこで、まず、民間事業者、市民、職員から構成されるプロジェクトチームを設置し、「ポケモンGO」に関する事象などの情報収集を行うとともに、必要な対応の検討を行います。
また、スマホの進化が地域社会・地域経済にどのような影響を与えるのかについて、専門的、大局的見地から意見をいただくため、有識者会議を設置することにしました。

きょうは、神戸大学で武田廣学長にお会いし、品田裕副学長に有識者会議の座長にご就任いただくことになったお礼を申し上げました。
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これから進めるこれらの分野に関する調査研究についても、神戸大学の学際的協力を要請し、ご快諾いただきました。

また、今日は神戸大学大学院法学研究科で「地方自治体の統治構造と住民自治をめぐる課題」と題し、講義を行いましたが、質問がたくさん出て、うれしかったです。
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2016年7月25日
から 久元喜造

まやビューライン、六甲有馬ロープウェイの無料運行

六甲山・摩耶山は、市民に身近で豊かな自然を満喫できる山として、親しまれています。
まやビューライン」は、摩耶ケーブルと摩耶ロープウェーで、市街地と摩耶山を結びます。
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そして、有馬と六甲山を結ぶのが「六甲有馬ロープウェー」です。
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神戸市では、夏休みの平日5日間(8/22~26)、「まやビューライン」「六甲有馬ロープウェー」無料運行を行います。
「まやビューライン」大人一人往復1,540円、「六甲有馬ロープウェー」大人一人往復1,820円など、すべて無料にする社会実験です。

今回、このような期間限定の無料運行を行うことにしたのは、改めて、子どもさんを含め、たくさんのみなさんに、神戸の財産である六甲山・摩耶山に目を向けていただきたいという想いからです。
また、六甲山は、市街地に比べ6度弱、摩耶山は4度強、気温が低いクールスポットです。
猛暑の傾向が強まる中、たくさんの市民のみなさんに訪れていただくことができれば、エアコンの使用も減り、エコにもつながります。

ぜひ、夏休みのこの機会に、子どもたちと一緒に、また家族や友人と一緒に、六甲山・摩耶山に登って、眼下に広がる素晴らしい神戸の景色を眺めながら、その魅力に触れていただき、夏休みの思い出をつくっていただきたいと願っています。
期間中、三宮から摩耶ケーブルまでの市バス臨時無料バスも運行します。

市民のみなさん、事業者のみなさんと一緒に、これからも六甲山・摩耶山の活性化に取り組んでいきます。


2016年7月23日
から 久元喜造

パウゼヴァング『片手の郵便配達人』

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ヨハン・ポルトナーは、17歳。
大きくて体のがっしりした青い眼の少年です。
彼は第2次大戦の終盤、意気揚々と入隊し、前線に送られるのですが、二日目に榴弾によって吹き飛ばされます。
1944年8月、左手を失ったヨハンは故郷のヴォルフェンタンに戻り、郵便局で働き始めます。
この小説は、彼が美しい自然の中に点在する家々に手紙を配達し続ける日々を描きます。

家族を戦地に送り出している人々は、夫や息子、兄弟からの知らせを待ちわびています。
日一日と悪化する戦局の中で、ひたすら愛する人の無事を祈りながら。
しかし、現実に増えていくのは、「黒い手紙」。
近親者の「英雄的な死」を知らせる通知です。
臨月のおなかを抱えて夫を待つ妻にも「黒い通知」が送られてきます。
どのような言葉を添えて彼女に手渡したらよいのかと悩むヨハン。

ヨハンが訪れる人々の中には、熱狂的なヒトラー信奉者がいます。
その一方で、ヨハンの母親は、ヒトラーを「とんでもない男よ!」と罵ります。
『ヒトラーに抵抗した人々』(2016年2月13日のブログ)で描かれた人々の反応を思い起こしました。
小説では、ルール地方から避難している子供たち、ポーランドやウクライナからの強制労働者、戦車止めでロシア軍と戦おうとする「半人前のヒトラーユーゲント」たちなどさまざまな人々が描かれます。
ヨハンはすべての人々に誠実に向き合い、その心を開きます。

1945年5月9日、戦争は終わり、ヨハンは恋人イルメラを探して、新しい生活へと踏み出すはずでした。
しかし彼に訪れるあまりにも理不尽な運命・・・
衝撃の結末に言葉を失いました。
作者は、戦争の非情さをこのようなラストで示したかったのかもしれません。


2016年7月21日
から 久元喜造

市バス111系統で巡る重要文化財の旅

神戸市バス111系統は、神戸電鉄箕谷駅前と衝原を結ぶ路線です。
沿線は、無動寺(福地下車)、六條八幡宮(山田小学校前下車)、若王子神社(福地下車)、箱木千年家(衝原下車)、下谷上農村舞台(小橋下車)など文化財の宝庫です。

神戸市交通局では、市営交通100年プレイベントとして、このような北区山田町の重要文化財をめぐるキャンペーンを始めました。
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ポスターを、市バス、市営地下鉄、神戸電鉄、北神急行の中吊り広告、主要駅の掲示板に貼り出しています。

神戸市交通局 のウェブサイトでは、各文化財の動画も公開しています。

また、ラジオ関西「田辺眞人のまっことラジオ」(日曜日AM10時~)では、4回にわたり各文化財が紹介されます。(放送8月7日、14日、21日、28日)
是非、市バスや神戸電鉄、北神急行で訪れてみてください。


2016年7月18日
から 久元喜造

西洋美術館、世界文化遺産登録を喜ぶ。

広く報道されていますように、ユネスコの世界遺産委員会は、「ル・コルビュジエの建築作品」の世界文化遺産登録を決定しました。
その中に、上野の 国立西洋美術館 が含まれます。
宮田亮平文化庁長官をはじめ、今回の世界文化遺産登録に尽力されたみなさまにお祝いを申し上げます。
国立西洋美術館と縁が深い神戸市としても、たいへん喜ばしく感じています。

6月29日の定例記者会見 でも申し上げましたが、国立西洋美術館は、フランス政府から返還された「松方コレクション」を収蔵するために建設されました。
戦前、川崎重工業の前身、川崎造船所の社長などをつとめた実業家、松方幸次郎(1865 – 1950)は、ヨーロッパに赴き、フランスを中心に膨大な美術品を収集しました。
しかしながら、第2次大戦後、モネ、ゴッホなどの主要な作品はフランス政府に接収され、日本政府との間で返還交渉が行われました。
交渉は実り、日本に返還された「松方コレクション」を収蔵し、公開する施設が整備されることになりました。
設計は、フランスの建築家、ル・コルビュジエ(1887 – 1965)が当たり、1959年、国立西洋美術館 として開館しました。

これらの経緯は、松方幸次郎の生涯を描いた『火輪の海』(神戸新聞社編)(2014年8月17日のブログ)の中でも、詳しく触れられています。
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神戸市立博物館では、9月17日から11月27日まで、「松方コレクション展」が開催されます。
神戸港開港150年記念のプレイベントです。
このような時期に、今回の朗報が飛び込んできたことを、本当にありがたく感じています。


2016年7月16日
から 久元喜造

ポートライナー、六甲ライナー学割拡大

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ポートライナー六甲ライナーの学割拡大を、木曜日の 定例記者会見 で発表しました。
通学定期の運賃を引き下げ、平成29年4月から適用します。

今年に入り、両ライナーを運行している㈱神戸新交通から財務体質改善の報告を聞き、その努力に感謝するとともに、利益を利用者に還元する方策について両者で検討してきました。
一律に運賃を値下げする方法も考えられましたが、この場合の引き下げ幅はごくわずかです。
むしろ、神戸2020ビジョンで明確に示していますように、子育て世代や若者に対する支援を重視するという立場に立てば、通学定期の引き下げが適切なのではないかという判断に立ち至りました。
対象は、小中学校、高校、大学、短大、特別支援学校などで、カネディアン・アカデミィ、ドイツ学院、神戸動植物環境専門学校なども含まれます。

引き下げ幅は、約2割です。
たとえば、通学定期2区の3か月定期は、現在、16,880円ですが、これを、13,510円に引き下げます。
年4回購入すると、年間、13,480円、運賃負担が軽減されます。

この引き下げにより、通常運賃に対する割引率は、68%~73%となり、阪急の約80%、阪神の約73~80%には及ばないものの、山陽電鉄の約70~74%、神戸電鉄の約67~72%とほぼ同じ水準になります。

引き続き、各分野における子育て世代への支援措置の拡大に努めていきます。