久元 喜造ブログ

2015年7月7日
から 久元喜造

市長フォーラム

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アジア太平洋都市サミットには、73人の市長、22人の副市長が参加しています。

今日は、この95人の市長、副市長が、10のテーブルに分かれ、市長共同宣言に向けた議論を行いました。

私のテーブルには、クワーク ブリスベン市長のほか、テルアビブ、フィリピンのブナン、台湾の嘉義、オーストラリアのプレイフォードなどの各市長、深圳の副市長などがおられました。

Global Cities をテーマに、それぞれが意見を述べ合いました。優れた才能をいかに自らの都市に引っ張って来るのかに、各市長の関心が集中していました。

フォーラム終了後は、クワーク市長が神戸のブースを訪れてくださいました。

その後、神戸市の訪問団全員で、ブリスベン市直営のマーケティング機関であるブリスベン •マーケティングを訪問し、エイキンCEOほか神戸との交流に尽力されているみなさんと意見交換を行いました。

弾き続き、グリフィス大学のシュテインズ教授から、慢性疲労症候群に関する研究についてお話をお伺いしました。


2015年7月6日
から 久元喜造

アジア太平洋都市サミット

 

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今日から、アジア太平洋都市サミットの討議が始まり、二人のオーストラリアの研究者の方と私の3人で、The Science of Global Cities の分科会において、議論が行われました。

私からは、神戸医療産業都市の中の、特に、スーパーコンピューター京を使ったシミュレーションについて説明しました。

終了後、同じ建物内で、守屋議長をはじめ訪問団がクワーク ブリスベン市長を訪問しました。

クワーク市長と私は、今後の両市の交流のあり方として、ビジネス交流を中心とすることで意見の一致を見ました。

30周年協定書にサインし、交換しました。

夕刻、郊外にあるブリスベン アクアティックセンターを訪問し、充実した施設内を案内していただくとともに、ハスマン クィーズランド州水泳協会会長に、2020年の東京オリンピック パラリンピックの事前合宿を神戸で行っていただくよう要請しました。

ブリスベンにいたこともあり、試合を見ることはできませんでしたが、なでしこジャパン、本当に残念でした。

沢山の感動をいただきました。ありがとう!


2015年7月5日
から 久元喜造

ブリスベン姉妹都市歓迎式典

 

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今日は、ブリスベンに到着、姉妹都市歓迎式典に、守屋市会議長とともに参加しました。

オークランド、重慶、デジョン、高雄、ハイデラバードの各市長が参加されましたが、私から、各都市を代表し、都市間交流の意義とともに、ブリスベンと神戸との姉妹都市交流の歩み、とりわけ、阪神淡路大震災に際しての支援への感謝にも触れさせていただきました。

この後、Asia Pacific City Summit、APCS の開会式に参加しました。

式は、市庁舎のホールで行われましたが、巨大なパイプオルガンが鎮座する素晴らしい会場でした。

さらに、市庁舎前広場では、コアラも登場し、華やかに歓迎パーティーが開かれました。


2015年7月4日
から 久元喜造

保健大臣会合 神戸開催決定

いま、ブリスベンに向かう途中、仁川空港のロビーで、このブログを書いています。

昨日、サミット開催と併せて、保健大臣会合の神戸開催が決まりました。

菅官房長官は、定例記者会見で、神戸開催の理由として、阪神淡路大震災からの復興、先端医療、医療産業都市の推進を挙げておられました。

今回の決定は、神戸医療産業都市を世界に発信する好機です。

神戸のことをよく考えいただいた上でのご判断であり、感謝申し上げたいと思います。

昨日は、官房長官会見の直後に、神戸市会の本会議が始まりましたので、守屋議長のお許しをいただき、会議冒頭で報告させていただきました。

市会でのサミット誘致決議から始まった誘致活動でしたので、サミット実現は叶いませんでしたが、神戸に相応しい大臣会合が決まり、まずは安堵しております。


2015年7月4日
から 久元喜造

モリコーネの音楽 ― 私が好きな曲⑩

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は、大好きな映画のひとつです。
DVDを買い込み、ときどき家で観ています。
映画の内容も素晴らしいのですが、音楽がとても素敵です。

小泉純一郎元総理も、この映画と音楽に魅せられたひとりで、ご著書『音楽遍歴』の中で、次のように書いておられます。

この映画は、禁酒法時代(1920年代)のギャングの裏世界を舞台にした友情や裏切りの人間ドラマで、回想シーンを交えながら描いている。私の好きな映画だ。
ロバート・デ・ニーロの演技もよかったけれど、何よりも音楽が素晴らしいと感じた。それから『ミッション』の映画音楽もモリコーネと知って聴いて、それからどんどん聴き込んでいった。

小泉元総理は、エンニオ・モリコーネの音楽の特徴について、「イタリア・オペラにも通じる旋律の美しさに加え、哀愁に満ちた音楽を生み出している」と評しておられます。
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さっそく、モリコーネの映画音楽の4枚組CDを購入しました。
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Youtube には、モリコーネ自身がオーケストラを指揮した動画もアップされていますが、BGMとしてではなく、コンサートで演奏される価値のある作品群だと感じます。


2015年7月1日
から 久元喜造

「タックス・ヘイブン」への対応

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我が国から海外に税金逃れを目的とする資金流出がかなり起きているのではないか、という疑問を持っていましたが、志賀櫻『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』を読み、かなりその実態が理解できました。

タックス・ヘイブン(Tax Haven)とは、一般に、税金がないか、ほとんどない国や地域を言います。
ケイマン諸島、バハマ、バミューダ、ブリティッシュ・バージン・アイランドなどカリブ諸島の島々が知られていますが、著者は、ロンドンのシティ、米国のデラウェア州のほか、スイス、ルクセンブルク、ベルギー、オーストリアなどの欧州諸国も含めています。

日本の高額所得層、 大企業からもこれらのタックス・ヘイブンに資金が流出しています。
それらの租税回避が脱税にあたるかどうかは微妙で、著者は、課税当局とのせめぎ合いについても、豊富な事例でわかりやすく説明しています。

タックス・ヘイブンの活用によって、高額所得層などから大量の資金が流出し、そのことにより、しわ寄せを被るのは、中間所得層、低所得層です。
自治体も必死に税収を確保する努力を行っていますが、最も担税力がある層からのこのような租税回避行動を目の当たりにすると、何ともやりきれない思いに駆られます。

筆者は、タックス・ヘイブンによる租税回避を防ぐ方策として、金融機関に対する規制、トービン税、国際連帯税、金融取引税、シティズンシップ課税、出国税など具体的な方策を提示しています。
いずれも、タックス・ヘイブンによって利益を得ている国々を含めた国際的な合意が必要とされることから、困難な課題ですが、是非、ここは国税当局の奮起に期待したいと思います。


2015年6月26日
から 久元喜造

島田叡氏顕彰碑・ 除幕式

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沖縄県最後の官選知事、島田叡氏の顕彰碑が那覇市の奥武山公園内に建立され、きょう除幕式に出席しました。
6月26日は、島田知事が軍の壕を出て、消息不明になった日とされています。
沖縄戦から70年を契機に、沖縄県民有志のみなさんが顕彰碑を建立する期成会を設立し、募金運動が行われました。中心的な役割を果たされたのが、顕彰期成会会長の嘉数昇明さんでした。
嘉数さんから、これまでの活動や島田知事への想いをお聞きすることができました。

式典は、那覇高校合唱部のみなさんによる献奏「島守のかみ」に始まり、井戸兵庫県知事、翁長沖縄県知事が、両県民を代表し、挨拶をされました。
島田知事が卒業された旧神戸二中、兵庫高校同窓会「武陽会」のみなさんも参加されました。

私は、総務省に勤務していたとき、新規採用職員向けの講話の中で、島田叡氏について触れたことがあります。
「時代は移り、我々は島田知事のような運命をたどることはないかもしれないが、後輩としてその想いを受け継ぎ、国家公務員として恥ずかしくない行動をしていこう」
と呼びかけました。

島田叡氏の生き様は、田村洋三『沖縄の島守 内務官僚かく戦えり』(中公文庫)に、くわしく記されています。
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本書を通読したのはだいぶ前のことですが、今回、顕彰碑除幕式に出席して、「島守」としての壮絶な仕事ぶりを想い起こしました。
除幕式の後に行われた兵庫・沖縄友愛懇親パーティーでは、田村洋三さんも出席されていて、ご挨拶いたしました。

短時間でしたが、心に染みいる沖縄への旅となりました。


2015年6月23日
から 久元喜造

人事当局はもう少し職員に配慮してほしい。

2年前に、神戸市に戻ってきて感じることは、神戸市役所は、人事当局が絶大な権限を握っていることです。
個々の状況にお構いなく、人事当局の意向とスケジュールで物事が決まっていきます。

ささいなことですが、私が置かれている状況にも配慮してくれません。

明日は、職員証の写真撮影があるのは前から聞いていましたが、今日聞くと、突然、背広、ワイシャツ、ネクタイで撮影してくれ、とおっしゃるのです。
理不尽とは申しませんが、もう少し、配慮していただけないのでしょうか
今、私も含め、クールビズで執務するよう求められています。
人事当局の求めに応じて写真撮影してもらうためには、ワイシャツとネクタイを持っていかなければなりません。
しかも、写真撮影の直後の来客応接は、クールビズで対応する必要があり、また慌てて、もとの服装に着替える必要があります。
そもそも、この職員証明書の写真撮影は、5年に1回、必要とのことですが、背広、ワイシャツ、ネクタイでの写真撮影を、どうして、この夏の季節にする必要があるのでしょうか。
職員全体に対して、膨大な無駄な対応を強いているのではないでしょうか。

私に対してもこうですから、人事当局がとっている普段の行動を想像することは可能です。
もう少し、職員が置かれている状況を顧慮して対応して欲しいと思います。


2015年6月21日
から 久元喜造

「昭和天皇実録」の謎を解く

本当は、『実録』そのものを購入し、読み進めるのが本来の姿なのでしょうが、なかなかそこまで時間がとれそうにもないので、安直であることを自覚しつつ、解説書で、昭和天皇の実像に近づきたいと思いました。
半藤一利、保阪正康、御厨貴、磯田道史の各氏による座談です。(文春新書)
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ご幼年期の記述は興味深い内容を含んでいましたが、やはり、夢中になって読んだのは、政党政治の終焉と戦時体制への移行、日中戦争から日米開戦、戦争遂行と終戦に至る時代の記述です。
この困難な歴史過程の中で、昭和天皇がどのような行動を取り、どのような言葉を残されたのか、また、それらから推察される昭和天皇の心象風景の一端に触れることが出来ました。

昭和初期の記述では、治安維持法「改正」について、昭和天皇が懸念を示され、十分審議を尽くすよう指示されていたことは、これまで知られていなかったようです。
また、昭和天皇が美濃部達吉博士の「天皇機関説」に賛同されていたことは、今回の『実録』で史実として確定したと言えます。

それにしても、日米開戦に至る過程で、陸海軍のトップ、杉山元参謀総長、永野修身軍令部総長が、いかに根拠のない、無責任な上奏を繰り返していたかが、よくわかりました。
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以前読んだ、 古川隆久『昭和天皇 「理性の君主」の孤独』 (中公新書)の読後感と共通しますが、昭和天皇の深い苦悩と孤独感に改めて想いを馳せることが出来ました。


2015年6月18日
から 久元喜造

The City Innovate Summit

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サンフランシスコ最終日の今日は、The City Innovate Summit の市長パネルに参加ました。 福岡市の高島市長のほか、米国のオークランド、フィリピンのケソン、デンマークのコペンハーゲンの各市長が参加されました。 私からは、医療産業都市を舞台に、バイオテクノロジーとITテクノロジー、シュミレーションテクノロジーを融合させる取組を紹介しました。 サンフランシスコにおけるオープンデータの活用も大いに参考になりました。 神戸から参加された若手IT事業者のみなさんを紹介したところ、会場から大きな拍手が沸き起こりました。