8月1日の各紙朝刊は、昭和天皇の玉音放送をいっせいに報じていました。
放送の全文を通読し、改めて感銘を受けました。
半藤一利原作の映画「日本でいちばん長い日」は、昭和20年8月15日正午に玉音放送が流されるまでの緊迫した時間を描きます。
今から思えば、終戦の結論が遅すぎたことははっきりしていますが、それでも、昭和天皇(本木雅弘)のご聖断が実行に移されるには、さまざまな人々の献身的な働きがあったことが、改めてよくわかりました。
この映画の実質的な主人公は、鈴木貫太郎内閣の陸軍大臣、阿南惟幾(役所広司)かもしれません。
後世からは、本土決戦を主張し、ポツダム宣言受諾に反対した軍人として知られますが、身を賭して、畑中健二陸軍少佐(松阪桃李)などの反乱軍から昭和天皇と玉音盤を守り抜いた人物として描かれます。
なお、昭和天皇実録 (6月21日のブログ) には、
「なお前夜、陸相阿南惟幾は陸軍省軍務局軍事課長荒尾興功ほか陸軍将校五名よりクーデター計画を聴取し、その決行につき具申を受ける」
との記述が見られます。
ロケ地としては、神戸のさまざまな場所が使われています。
旧乾邸(総理大臣官邸)、兵庫県公館(総理大臣官邸大会議室)、御影公会堂(陸軍参謀本部総長室)、神戸税関(東部軍司令部)などが登場しますので、神戸市民にとっては、このあたりも見どころです。
映画は、8月8日に公開予定です。(文中敬称略)