久元 喜造ブログ

2013年6月17日
から 久元喜造

「特別自治市」について①(広域調整機能)

フェイスブックに、
「特別自治市は、県なり、関西広域連合なり、道州制と、それぞれどのように相容れる、又は相容れないものなのでしょうか?」
という質問をいただきましたので、簡単に、自分の考え方を記したいと思います。

「特別自治市」の構想は、指定都市市長会が提唱している大都市制度改革のプランで、人口規模の大きな市が都道府県の事務をすべて行うことができるようにする制度です。
「特別自治市」は都道府県の外に置かれ、一層制の自治制度となります。

府県と指定都市の融合一体化であるという点では、「大阪都構想」と目的を同じくしていますが、「大阪都構想」では府県が指定都市の機能を併せ持つ形で融合一体化が図られるのに対し、「特別自治市」構想では、指定都市が府県の機能を併せ持つ形でその実現を図ろうとします。
「特別自治市」制度が実現すれば、二重行政はほぼ完全に解消されます。

「特別自治市」構想に対しては、全国知事会をはじめ都道府県側は懸念を示してきました。
その理由は、広域調整機能の低下や人口・経済が集中する大都市に道府県税が移管されることによる都道府県財政へのマイナスの影響、ひいては、大都市以外の市町村における行政サービスの低下などです。

きょうは、広域調整機能との関係についてお話ししますと、確かに「特別自治市」が都道府県から「独立」することによって、一見弱まるように見えますが、現行制度の下においても、三大都市圏においては、都道府県を超える広域行政機能の強化が求められているのであり、改めてそのあり方が問われているのが現状です。
こうした見地からは、首都圏においては少なくとも横浜市を、また近畿圏においては神戸市と京都市を、広域行政の担い手、重要アクターとして真正面から認知し、その上で、首都圏、近畿圏を単位とした広域行政の構築を図ることが、現実に広域調整機能を発揮する上で効果的だと考えます。

近畿圏においては、近畿圏を越える地域を対象として、関西広域連合が設立され、大阪市、神戸市、京都市、堺市は関西広域連合にすでに加入しています。
実効的な広域行政を展開するためには、現行の指定都市制度の下において都市としての発展を図ろうとする堺市は別として、神戸市と京都市が「特別自治市」としての立場を獲得し、大阪市解体後の大阪府、兵庫県、京都府、和歌山県、滋賀県などとの広域連携の途を探ることの方が、広域調整の実効性を高めることができるのではないかと考えます。

少なくとも、関西広域連合との関係を見ても、また、将来、道州制が導入された場合においても、指定都市を解体して特別区に分解する「大阪都構想」よりも、「特別自治市」構想の方が、親和的であることは明確です。

もちろん、道州制導入の是非は、大都市制度との関連を超えて、幅広い観点から議論される必要があることは言うまでもありません。

 


神出演芸大会

2013年6月16日
から 久元喜造

神出・再訪

西区の神出にお邪魔するのは、4月の 裸石神社 の弥榮祭に続いて二度目です。

きょうは、神出小学校 で、神出町自治協議会、神出かたこ会連絡協議会主催の「神出演芸大会」が開催され、挨拶をさせていただきました。

西区の神出地区は、全域が市街化調整区域に指定され、自然が豊かで、農業が盛んな地域です。
裸石神社 のほか、神出神社、各地区の大歳神社などたくさんの神社があり、さまざまなお祭りが一年を通じて催されます。また、地域活動が盛んな地域でも知られます。

きょうの演芸大会は、9時半から始まり、まず、全員で、「青い山脈」を合唱。
JAすずらん会のみなさんによる大正琴の演奏に続き、地域のみなさんが、自慢ののどを次々に披露されます。

神出保育園園児のみなさんは、「見上げてごらん夜の星を」「神出讃歌」「花は咲く」を熱唱。

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園児さんたちの合唱に聴き入るみなさんの和やかな表情からは、神出のみなさんがいかに地域のことを愛しておられるかが、伝わってきました。

 


2013年6月14日
から 久元喜造

いいね!についての、悲しい噂

神戸市役所に出入りしているある関係者の方から、こんなお話を聞きました。

「今、神戸市役所では、職員が踏み絵を踏まされている・・・」

「どういう意味ですか?」とお聞きしますと、

「上司から、久元さんのフェイスブックに、『いいね!』を押すように、圧力があるようだ」

とおっしゃるのです。

とても悲しい気持ちになりました。

フェイスブックは、実名でつながっている、とても楽しい、わくわくする世界です。私も、フェイスブックで、新しい出会いに恵まれ、これまで知らなかった風景やスナップ、そしてコメントのやりとりを楽しんでいます。

さきほど耳に入ってきた内容は、およそ楽しくない、とても悲しい話です。

もし、そんな「圧力」をかけている上司がいたとしたら、その方は、自分がおよそ楽しいことをしているとは感じておられないことでしょう。「圧力」を受けている職員の方はいわずもがなです。

そんなときには、もちろん、「私は上司から言われて、心にもない、『いいね!』なんて押しません!」ときっぱり言ってほしいのですが、上下関係で遠慮もあるのなら、曖昧に笑い返して、無視してほしいと思います。

もし仮に、そんな事実はないのに、何かがきっかけでそんな噂が広がっているとしたら、それはそれで全然楽しくないし、とても悲しいことです。そんなつまらない噂が流れ、疑心暗鬼になるような雰囲気が市役所の中にあるとしたら、みんなの力で変えていきたいですね。

つまらない圧力や思惑、噂に惑わされることなく、おおらかに、ネット上の会話を楽しみたいものです。
そして、明るい、さわやかな市役所にしていきたいと思います。


久元きぞう後援会連合会設立総会

2013年6月13日
から 久元喜造

久元きぞう後援会連合会・設立総会

きょうは、午後2時から、久元きぞう後援会連合会・設立総会が開催されました。

神戸の各界をリードされているみなさまによって、後援会連合会が設立され、これからの活動の基盤が確立されましたことは、たいへんありがたく、また、心強く感じています。

心より、感謝申し上げます。

久元きぞう後援会連合会会長には、西河 紀男・三ツ星ベルト㈱代表取締役会長が就任されました。

西河会長からは、あたたかく、力強いご挨拶を頂戴しました。

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設立総会終了後、私から、お礼のご挨拶をさせていただきました。

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島田叡氏「合掌の碑」

2013年6月12日
から 久元喜造

「武陽会」と島田叡・沖縄県知事

6月11日の神戸新聞に、県立兵庫高校同窓会「武陽会」と戦前最後の沖縄県知事・島田叡(しまだあきら)氏の記事が出ていました。

「武陽会」は、6月15日、今年3月に、100回目の卒業生を送り出したことを記念した「武陽人100年の集い」を開催されるのだそうですが、このとき、兵庫高校の前身、旧制神戸二中の卒業生で、第2次大戦中に沖縄県知事を務め、戦禍で消息を絶った島田叡氏に関する講演会を開催すると記されてありました。

島田叡氏は、戦前の制度の中で最後の官選知事を務めた人です。

旧制神戸二中の卒業生で、内務省に入省、昭和20年1月、大阪府内政部長に在任しているとき、大阪府知事から沖縄県知事への就任を打診されました。当時、米軍の沖縄進攻が確実視され、沖縄への赴任は、生きて本土に戻れないことを意味していました。前任の沖縄県知事は、口実を設けて東京に出張し、そのまま別の県知事に転任していたのです。

島田叡氏は、その場でこの打診を受諾し、沖縄に赴きました。そして困難を極めた状況の中で、軍との調整を図り、県民の保護に努めました。まもなく米軍が沖縄に上陸し、壮絶な沖縄戦が始まります。島田叡知事は、摩文仁付近で行方不明になったと伝えられます。

島田叡氏は、戦後、本土への複雑な感情が存在してきた沖縄で、もっとも敬愛されてきた人物です。島田叡氏の生涯は、田村洋三『最後の島守 ― 内務官僚かく戦えり』(中公文庫)に詳しく描かれています。

私は、島田叡氏のことを、総務省に入省してきた職員への研修の中でも取り上げたことがあります。われわれは、島田叡氏の時代とは異なる時代に生きているが、島田叡氏の思いや覚悟は受け継いでいこう、と呼びかけました。

昨年の11月に神戸に戻ってきて間もない頃、兵庫高校を訪れ、校内の「合掌の碑」に手を合わせました。島田叡氏の業績を顕彰して設立された碑です。

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きょうは、兵庫高校同窓会会長をされている和田憲昌・和田興産会長をお訪ねし、島田叡氏について、いろいろとお話を聞かせていただきました。和田会長は、島田叡氏が消息を絶ったと伝えられる密林の中も歩いてこられたのだそうです。

島田叡氏は、神戸が誇る偉人です。その功績を永遠に後世に伝えていきたいという気持ちを、共有させていただきました。


2013年6月11日
から 久元喜造

さんちか名店会総会

神戸、三宮地下街のさんちかは、神戸の顔であり、独特の雰囲気を持っています。

ミュージックも、あおり立てるような音楽ではなく、落ち着いた、癒し系の曲が多いような気がします。

いま、さんちかでは、父の日にちなんで、こどもたちの絵がたくさん飾られています。

とても心が和みます。

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きょうは、有馬で、さんちか名店会の総会が開催され、挨拶をさせていただきました。

三宮駅の再開発を、三宮の雰囲気を大切にしながら、できるだけ早期に進め、人の流れを活発にし、新たな賑わいをつくりだしていきたいと思います。

 


2013年6月11日
から 久元喜造

議会こそが民主主義を体現する

我が国では、国においては議院内閣制が、地方自治体においてはすべて「大統領制」が採られています。そして、ともに我が国の社会に定着しています。しかしながら、主要国においてこのような組み合わせをとっている国は、我が国以外にはありません。

すべての地方自治体の首長が直接選挙で選ばれる国は、日本のほかに、韓国とイタリアがあります。

韓国では、国も大統領制です。イタリアでは、国は議院内閣制で、大統領は名誉職に近い存在ですし、イタリアの首長は議会議員とまったく独立して選ばれるわけではありません。

国、地方自治体を問わず、民主主義を標榜する国に必ず存在しなければならないもの ― それは、議会です。議会こそが、国民や住民の意思を決めるのです。これに対し、首長が直接選挙されることは、民主主義にとって必須の要件ではありません。

我が国の地方自治体でも、団体意志の決定機関は、議会です。ですから、首長の権限になっているものを除き、自治体の意思を決定するのは議会です。

ところが、首長の中には、選挙で選ばれた自分こそが何でも決められると勘違いをしている方がいます。東京におりましたとき、たくさんの知事さんや市町村長さんが来られましたが、「議会なんかいらない」などと、「ホンネ」をおっしゃって帰られる方も結構いらっしゃいました。

「議会が邪魔で仕方がないのですが・・・」「議会の権限を縮小してくれませんか?」

といった発言にもよく接しました。

ネット時代になり、ネットツールを使えば、さまざまな意見を直接集めることができ、ネット上で対話ができるから、ネット社会では、議会の役割は低下するとおっしゃる方もいらっしゃいました。ブログ、フェイスブック、ツィッターなどを使えば、簡単にさまざまな意見を吸い上げることができるので、自分はそのようにして、住民、国民の声を体現できているのだ、という見方です。

そうでしょうか?

議会がネットの言説空間と異なるのは、議場において議員が一堂に会し、議論をたたかわせることにあります。ネット上の議論では、ほとんどが絶え間のない、そして、終局点のない議論の連鎖が続きます。そして、あるテーマへのアクセスが下火になれば、そのテーマに何らの解決も見いだせないまま、次の人気のあるテーマに移り、その反復が永遠に続くように見えます。

議会は違います。生身の人間が五感を統合して互いに相まみえ、議論を交わします。相手の目を見ながら、視線をそらすことなく討論し、結論を導く場です。

このような議会の価値は、ネット時代の中で改めて再確認する必要があるのではないかと思います。そこは、現実の立ち会いのもとに行われる議論を踏まえて、結論を出さなければならない決断の場なのです。

ネット時代であるからこそ、改めて議会の価値をかみしめる必要があるのではないでしょうか。

議会を構成する議員の使命は重大です。犯罪行為を行って逮捕されるような議員がいることは、論外ですし、恥ずかしいことです。


2013年6月9日
から 久元喜造

記者会見・記事

昨日の記者会見を、各紙が掲載してくださいました。

読売新聞と毎日新聞は、神戸面のほかに、2面にも掲載してくださいました。

神戸新聞23面には、会見要旨の一部が引用されています。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201306/0006058109.shtml

― 矢田市政の何を引き継ぐ。

「思いつきで関心を向けるのではなく、ひたすら市民の生活、利益、福祉のために市政があるという姿勢だ。北海道夕張市のような危険水域にあった財政を、矢田市長の断固たる決意で回復させ、新しいステージに向かうための前提条件をつくった。その成果を受け継ぎ、さらに発展させる」

― 民間との連携は

「市民の知恵を集め市政に生かしたい。外部の民間人を交えたさまざまな協議会がなどはあるが、役人がシナリオを作り読んでいるだけの会議が多すぎる。民間との対話の方式も見直さなければ」

― 60年以上、助役(副市長)出身市長が続いていることに批判がある

「内部出身という理由で、矢田市長や笹山(幸俊)前市長の功績を否定すべきない。震災では市の対応に批判もあったが、笹山さんは使命感を持って地域に入り、市民と膝詰めで話をした」

「私は副市長だったが、それまでは神戸への関わりが薄かった。ただ矢田さんや笹山さんとは違う経験、知識がある。新たな観点を加えながら市政に当たりたい」


2013年6月7日
から 久元喜造

本日、記者会見を行いました

本日15時より、神戸ポートピアホテルにて神戸市長選挙への立候補表明の記者会見を行いました。

記者さんからたくさんの質問をいただいて、予定を大幅に上回る2時間近い会見となりました。

自分としては、考えてきたこと、神戸への思い、これからの神戸について、率直に語ることが出来たのではないかと思っています。

 

今日がゼロからのスタートです!頑張ります!!

久元きぞう記者会見