今週、9月24日(火)の毎日新聞「蔵書 拝見」に、日本維新の会共同代表・参議院議員の 片山虎之助 先生が登場されていました。
取り上げられていたのは、加藤陽子『それでも、日本人は『戦争』を選んだ』 。
つい先日、ブログ(2019年9月22日)で、本書について感想を記したこともあり、興味深く拝読しました。
片山虎之助先生には、総務大臣ご在任中にお仕えしました。
ほぼ同じ時期に、同じ本を読んでいたことを知り、改めてご縁を感じます。
片山先生は、「あの戦争について、「バカな戦争だった」という結果論からする評価は・・・正鵠を得ていない」と喝破されます。
本書は「「その時、その立場にいた歴史上の人物には、違う風景が見えていた」ということを、当時の関係者の日記などの資料から立証し、説得力がある」と。
なぜ、大多数の日本人が戦争を支持し、理性的な指導者たちもが抗えなくなっていったのか・・・
戦争に向かっていった時代の空気とはどのようなものだったのか・・・
現在の価値観から過去を断罪するのではなく、その時代、その時代の体温を感じながら、そのような中で何が起きたのか、当事者たちがどのように苦闘したのかに想いを馳せること。
想像力を逞しくして、あの時代を追体験する営みは、とても大切なことではないかと改めて感じます。
1935年(昭和10年)生まれの片山先生は、「玉音放送を大人にまじって聴いた」そうです。
そして、「太平洋戦争を体験した最後の世代」として、こう仰います。
「戦争はとにかくしない方がよい。それは私どもの世代の皮膚感覚だ」と。
世代を越えて、この感覚を引き継いでいくことは、とても大事ではないでしょうか。