今日の朝日新聞関西版の3面に「組み体操 神戸市長と教委対立」との見出しで、記事が掲載されています。
教育委員会とは連携をとりながら仕事をしてきており、「対立」の文字にはいささか戸惑いますが、本件について立場を異にしていることは事実です。
私が組体操の中止を求めているのは、骨折など事故が多発し、子供の安全を確保できていないという危惧からですが、さらに言えば、昔から続けてきた組体操が、子供たちを巡るさまざまな変化に対応できているのかという疑問もあります。
組体操の継続の根拠としては、「子供の体力の維持に必要」「一体感を得られる」といった意見があり、きょうの記事にも、「しんどいことやつらいことを克服する力を身につけ、友だちと力を合わせてできたことに達成感を味わってほしい」という校長先生の主張が掲載されていました。
確かに成長期において、そのような観点は必要でしょう。
また、体力の維持・向上は、学校教育の大きな眼目です。
問題は、組体操がそのような観点から適切かということです。
子供たちの体力は昔に比べ、間違いなく落ちています。
兵庫県の小中学生の体力・運動能力は、全国の都道府県の中でも最低クラス です。
体力が落ちているのに、昔からの価値観に立って危険度の高い演技をさせることが、本当に良いのでしょうか。
神戸新聞の社説(9月19日)にあるように、「体力や体格は一人一人異な」ります。
ネット社会の進展の中で、子供たちが体を動かす必要性は間違いなく高まっています。
子供たちが体力を向上させ、危険を克服する術を身につけるためには、現在の状況の中で何が求められるのか、幅広い議論を期待したいと思います。