久元 喜造ブログ

盛山正仁『所有者不明土地問題の解決に向けて』


盛山正仁 衆議院議員の新著が、大成出版社から刊行されました。
昨年制定された「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」を中心に解説されています。

所有者不明土地問題は、いま我が国社会が抱える諸問題の縮図ともいえる課題です。
東京一極集中、地方の疲弊、土地神話の崩壊、無縁社会の進行、家族関係の希薄化などさまざまな要因が複雑に絡み合い、膨大な所有者不明土地が発生してきました。
私は、空き家・空地問題に取り組む中で、改めて所有者不明土地が増殖している実態を再認識し、この問題の解決に取り組んできました。
この問題の解決を図るうえで、地方自治体の役割には大きいものがあります。
同時に、所有権や不動産登記など私権の根幹的制度に関わる問題であり、制度的な課題について指定都市市長会でも議論し、国に対して制度改正も提言してきました。

この問題に対して真摯に対応していただいたのが、盛山正仁衆議院議員でした。
盛山代議士は、法務副大臣在任当時、地方自治体の長に不在者財産管理人の選任申立権を付与する制度改正に理解を示してくださり、この改正は今回の特措法に盛り込まれています。

盛山代議士は、個別の制度改正にとどまらず、特措法の立案、法制化に多大な尽力をされました。
本書は、そのような盛山代議士のご尽力に裏打ちされた内容になっています。
所有者不明土地問題の背景から説き起こされ、特措法の制定の経緯と概要、今後の課題が詳述される内容となっています。
各分野の専門家との鼎談・対談も収録されていますが、私も地方自治体の立場から発言させていただきました。

関係法令、参考資料を含め、たいへん充実した内容となっています。