久元 喜造ブログ

神戸空港には市税は使われていない。


少し前のことになりますが、2月18日の日経新聞に地方空港の収支に関する記事が載っていました。
地方空港は、訪日外国人観光客の増加を背景に便数が増加しているが、収支は赤字で一般財源が投入されている、また、国管理空港の工事費負担も多額に上っている、という内容でした。

空港事業は、道路や公園などと同様に公共事業で、国や地方自治体が一般財源、すなわち税金を投入することは初めから想定されています。
ところが、神戸空港には、建設にも管理にも市税は使われていません。
これは、かつて空港建設について市民の賛否が分かれ、また、震災後の厳しい財政状況の中で復興を進める必要があったことから、市会で「市税は一切使わない」と決議されたからです。
神戸空港は、設置自治体の税金を使わずに建設・管理が行われている、我が国で唯一の地方管理空港なのです。

この方針は、4月の民営化後も変わりません。
神戸空港の建設のために発行した市債の残高は、平成30年度末見込みで165億円で、これに新都市整備事業会計からの借入金やこれらの利子を合わせた債務は454億円となる見込みですが、民営化後は、㈱関西エアポート神戸から支払われる運営権の対価などの財源で確実に返済していきます。

一方、空港の利用状況は好調を維持しています。
昨年は、300万人を越える方々にご利用いただくとともに、平均で8割近い搭乗率でした。
このような状況を受け、㈱関西エアポート神戸株式会社が発表した中期計画では、5年後の目標としていた旅客数300万人を上方修正し、327万人としました。

明るい雰囲気の中、民営化の日を迎えられることをありがたく感じています。