久元 喜造ブログ

職員採用試験は自前でつくるべきだ。

161202-3

これまで職員採用試験について触れてきました。(9月29日10月11日10月31日 のブログ)
職員の採用試験をどのように実施するのか、出題内容はどうするのかは、優れた人材を確保する上で大事な課題です。
そうであれば、試験問題は、自治体が自前で作成すべきではないでしょうか。
現在は、神戸市をはじめほとんどの自治体は、(公財)日本人事試験研究センター に委託して実施しています。
神戸市では、同センターが用意している問題集から選択して、問題を作成しています。

私は、問題の一部しか見ていませんが、その前提で申し上げれば、個々の問題はおおむね常識的な内容になっているものの、一部には、専門家にしかわからないマニアックな問題も含まれています。
これは、センターが問題作成を依頼している専門家の常識が自治体の常識と距離があるからだと思われます。
また、問題全体を見れば、脈絡なく寄せ集めたとしか思えず、個々の受験者の知識レベルを問う観点からコンセプトのある内容になっているかも疑問です。
根本的には、神戸市がそれぞれの行政分野においてどんな人物を求めているのか、そして、その目的に沿った試験内容になっているかという視点が欠如しています。

秘密保持の観点から、問題作成に関わる職員はごく限られており、個々の職員がいかに優秀であっても、今のやり方では限界があります。
やはり、複数の眼でチェックすることが最低限必要なのではないでしょうか。

将来的な方向性としては、市長部局の相当程度の職員を人事委員会に兼務発令して問題作成チームを編成し、自前で問題を作成するようにすべきだと感じます。