久元 喜造ブログ

豊能郡ダイオキシン問題の顛末

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豊能郡ダイオキシン問題は、すでに記憶の彼方に退いていましたが、9月15日の読売新聞夕刊に記事が掲載されていましたので、顛末について少し所感を記したいと思います。

一報を受けたときは、怒りで身体が震えました。
豊能郡環境施設組合は、地方公共団体です。
ダイオキシンを含んだ廃棄物を、無断でほかの区域の最終処分場に埋め立てるなどあり得ないことです。
しかし、感情的になって軽挙妄動すれば、いたずらに混乱を招きかねず、冷静な対応を心がけました。
とにかく一刻も早く撤去させることを最優先にし、市民のみなさんに正確な情報を伝えることを心がけました。
広瀬朋義環境局長をはじめ環境局幹部のみなさんは、同組合に対して毅然と対応するとともに、先方にも出向き、全力で取り組んでくれました。
しかし豊能郡環境施設組合の対応は、極めて無責任で、合意した撤去期限は延長せざるを得ませんでした。
その後、大阪府の介在もあり、再度延長した8月31日に撤去を完了できました。

9月11日・12日には、G7神戸保健大臣会合の開催が確定しており、この問題が未解決であれば、神戸のイメージダウンにもつながりかねませんでした。
8月31日までの問題解決は至上命題でしたので、撤去完了の報告を受けたときは、ほっと胸をなでおろしました。

一連の経過の中で、神戸市民の対応は冷静でした。
処分場周辺の住民のみなさんには、環境局が住民説明会を開いて説明し、環境への影響など不安の声も出されましたが、大きな混乱はありませんでした。
神戸の成熟した市民性を改めて感じました。