久元 喜造ブログ

文書管理改革には覚悟が要る。

文書管理は、行政の基本です。
2014年8月4日のブログ でも書きましたが、文書は、適正に作成され、保存年限に従って正しく保存され、情報公開条例に従って適正に公開される必要があります。

残念ながら、国や地方自治体の文書管理には問題がある場合が多いのが実情です。
その背景として、役所で作成される文書は多岐にわたり、膨大で、担当者が頻繁に異動するため、文書管理という地味な仕事はどうしても後回しになるという事情が挙げられます。
また、文書管理なんか担当に任せておけばよいという傾向は、国の府省や自治体の幹部職員の間に広く見られます。
しかしながら、ずさんな文書管理は、公務能率の低下を招き、またときには致命傷になりかねないことも、薬害エイズ事件など過去の事案が教えるところです。
こういう風潮の中では、文書管理改革には、相当の覚悟が要ります。

私はどのような行政組織に属しているときでも、文書管理に注意を払ってきました。
総務省に勤務していた時は、しばしば局内、部内の全職員に宛てて、 適正な文書管理を求めるメールを送り、書庫などにも出向いて改善状況を点検していました。
(たとえば、選挙部長在任中の  2007年7月23日付のメール

神戸市役所においても、 市長就任直後に行った職員アンケートでは、たくさんの職員から文書管理の問題点が指摘されていました。
正直、問題を指摘するだけで、自分たちで改善しようという動きが見られないのは残念です。
そこで、さらに思い切った文書管理の改善を実施することとし、市内に新たな文書庫の設置も行い、先日、搬入状況を副市長とともに見に行きました。
地味だけれども当たり前の仕事をなおざりにしてはなりません。