久元 喜造ブログ

神戸市文書館と文書管理の重要性

少し前のことになりますが、 神戸市文書館 を訪問しました。
とても雰囲気のある建物です。
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それもそのはず、もともとは、1938年に私設美術館として建設され、戦後、神戸市が美術品を含めて譲り受け、1965年には市立南蛮美術館と命名されて市民に親しまれてきました。
1982年に、現在の 市立博物館 の中に『南蛮美術館』が設けられ、美術品が全部移されて閉館となり、その後、1989年、神戸市文書館 として開館し、今日に至っています。
神戸市文書館 には、神戸市に合併した旧町村の文書も保存され、専門の職員の手によってマイクロフィルム化の作業が行われていました。

文書は、行政の基本です。
文書は、適正に作成され、保存年限に従って正しく保存され、情報公開条例に従って適正に公開される必要があります。そして、文書の中でも貴重なものについては、原本は大切に保存されるとともに、マイクロフィルムなどに複製されて、閲覧に供することが求められます。

総務省の文書管理はひどいもので、私はしばしば局内、部内の全職員に宛てて、 適正な文書管理を求めるメールを送り、書庫などにも出向いて改善状況を点検していました。
国であれ自治体であれ、文書管理を行う上で管理職の役割は重要です。
文書管理を部下任せにせず、その状況を把握し、その改善を図っていくことが求められます。少なくとも文書管理の現状について関心を持つことは不可欠です。
残念ながら、文書管理なんか担当に任せておけばよいという傾向が、国や自治体において往々にして見られますが、 そのような傾向は、ある意味で行政機構の質的劣化であり、改めていかなければなりません。