昨晩は、神戸文化ホールで開催されたウィーン放送交響楽団のコンサートにお越しくださいましたみなさま、本当にありがとうございました。
家内ともども心より御礼を申し上げます。
とにかく素晴らしいオーケストラでした。
『フィガロの結婚』序曲で始まり、久元祐子のソロで、モーツァルトのイ長調KV488のコンチェルト。
オーケストラとピアノは、ともに比較的ノンレガート気味のフレージングで、軽やかで伸びやかなモーツァルトを聴かせてくれました。
テンポや息も合っていましたが、音楽の基本的指向では、指揮者はより前進性を、ソリストはじっくりした響きを重視しているようで、異なる個性のコラボレーションがコンチェルトの面白さかもしれません。
後半のブラームスの交響曲第1番は、冒頭のティンパニの連打からマイスターさんのアプローチが窺えました。
この曲は、重厚な響きを重視し、じっくりと聴かせる演奏が多いのですが、軽快に進んでいきます。
響きは明るく、よく鳴っているのですが、深みのある上品さを湛え、名門オケの醍醐味をじっくりと味わうことができました。
第2楽章アンダンテ・ソステヌートでは、コンサートミストレス、Maighread McCrannさんの美音に酔いしれました。
終楽章は、ホルンが高みから地上に舞い降りた後、有名なテーマが始まるのですが、かなり速いテンポで開始され、要所要所でアッチェレをかけていきます。
さわやかで軽やか、それでいて充実したブラームスでした。
アンコールは、ブラームスのハンガリー舞曲第5番、ビゼーのカルメンから前奏曲、そして、シュトラウス兄弟のピチカートポルカの3曲が演奏されました。