安保法制に隠れてあまり報道されませんが、成年年齢のあり方が議論になっています。
選挙権年齢はすでに18歳以上に引き下げられ、来年の参議院選挙では、18歳、19歳の若者も、選挙に参加します。
ところが、民法の成年年齢は20歳のままで、また、少年法の適用年齢が20歳未満になっているため、刑事罰が原則として科されません。
これは極めておかしな話であり、早急に成年年齢は、18歳に統一されるべきだと考えます。
私は、総務省に居たとき、国会の憲法審査会で総務省の方針を問われ、このように答弁し、選挙権年齢の引き下げを先行させるべきだとする法務省民事局長と対立しました。(平成24年2月29日の議事録)
これは役所の立場を述べたものですが、考え方としては、今でも全く変わっていません。
選挙権が与えられ、政治参加において大人である若者が、民法や刑法において大人として扱われないというのは、まことにおかしな話です。
国会でも申し上げたのですが、昭和20年に選挙権年齢が25歳から20歳に引き下げられたとき、堀切国務大臣は、満20年に達した青年は、民法上の行為能力を十分に持っており、国政参与の能力と責任観念とにおいて欠けるところがない、という趣旨の答弁をされています。
また、諸外国においても、大部分の国で、選挙権年齢と成人年齢は一致しているという実態もあります。
飲酒、喫煙についても、引き下げられることが適当と感じますが、この点については、民法、刑法の成年年齢と異なり、社会実態を踏まえた政策的判断が入る余地はあるように思います。