3月21日のブログ と同じようなシーンで恐縮ですが、20代の頃、こんなこともありました。
廊下を歩いていたら、先輩が机に向かって仕事をしているのです。
「どうしたんですか?」
と訊ねても返事がありません。
どうもその先輩は、別の課の先輩に頼まれてドイツ語の資料を翻訳していたのだそうですが、 それが上司に見つかり、その上司は、
「俺が指示した仕事を差し置いて、よその課の仕事をするとは何事!」
と激怒し、
「出て行け!部屋から出て行け!こいつを部屋から追い出すんだ!」
と、部下にその先輩の机を運び出させたというのです。
トイレに行くとき、必ず、その先輩の横を通るので、
「先輩、まだ許してもらえないんですか?」
とか、
「日比谷公園のカメでも見て遊んでたらどうですか?」
とか言って、からかっていたのですが、そのたびに、
「うるさい!」
と、そっぽを向かれるだけでした。
上司からは、「持ち場を離れたら、タダではすまぬ」と脅かされていたのでしょう。
高熱にうなされていた私は、それでも資料を仕上げて課長にタクシーで届け、この先輩は、廊下で仕事をさせられる姿を後輩に晒し、・・・どうしてあんな理不尽に耐えていたのか、今から振り返ると不思議です。
そんな時代だったのでしょう。
このような理不尽の責任は、国の省庁の場合は、部屋の主であり、組織の責任者である課長にあったことは、はっきりしています。
職場の雰囲気が、課長などの所属長によって左右されることは、今も昔も同じだと思います。
部下が少しでもやる気を出して仕事に取り組むことができるよう、所属長のリーダーシップに期待したいと思います。
同時に、組織全体の士気のありようについては、トップの責任が大きいことは言うまでもありません。