今日、5月11日は、西日本で初めての鉄道である神戸・大阪間が開業して150年に当たり、神戸駅で記念行事が行われました。
現在の神戸駅は、1930年(昭和5年)に完成した3代目の駅舎です。
開催していただいたJR西日本のみなさま、出席していただいた芦屋、西宮、尼崎の各市長、大阪市北区長に感謝申し上げます。
神戸駅からは大阪駅に向けて、記念列車が運行されました。
1874年(明治7年)の鉄道開業は、神戸開港のわずか6年後で、明治政府のスピード感のある仕事ぶりには改めて驚かされます。
鉄道建設を進める上で中心的な役割を果たした人物が、後年、鉄道官僚として名を残すことになる井上勝(1842 – 1910)でした。
井上のことは、柏原宏紀『明治の技術官僚』(2018年6月24日のブログ)で知りました。
井上は、長州藩が幕末に英国に密航させた「長州五傑」の一人です。
元勲政治家となる伊藤博文、井上馨、そして技術官僚として活躍する山尾庸三、遠藤謹介と井上勝です。
井上勝は、新政府成立後、大蔵省に出仕、造幣や鉱山開発の指揮を執る一方、鉄道事業に関わるようになります。
工部省設立後の1871年(明治4年)8月、鉱山頭兼鉄道頭に任じられ、翌年には兼任が解かれ、鉄道専任の官僚として鉄道建設の陣頭指揮を執っていきます。
鉄道建設工事は京浜間と阪神間が並行して進められ、1872年(明治5年)10月、新橋・横浜間が開業しました。
工事には御雇外国人が大きな役割を果たしました。
井上は、外国人とも良好な関係を築く一方、沿線住民の意見も受けいれながら事業を進め、神戸・大阪間は、150年前の今日、開業を迎えたのでした。