神戸市の人口は、2011年をピークに減少しています。
人口減少の要因は自然減で、この傾向は、全国の傾向と軌を一にしています。
ここ数年の動向を見ると、社会増の年もあり、社会減の数もごく僅かで、人口の流出が神戸市の人口減の主たる要因であるとは言えません。
それでも気になるのが、20代後半、30代の流出です。
10代後半、20代前半では社会増ですが、大学などの卒業を機に、市外に流出している傾向が従来から見られてきました。
神戸市内には企業の集積があり、雇用機会もあるので、市内就職を希望する学生と市内企業のマッチングに力を入れてきました。
また、学生のときから起業を目指す学生も増えてきており、スタートアップ支援にも力を入れています。
このような中にあって、10代前半の社会増減はこれまで安定していました。
神戸市内には、公立・私立を含め、多様な高校の教育環境があり、市内の高校進学者の受け皿となるとともに、市外からの通学も見られます。
そのような中で出てきたのが、大阪府内の高校無償化で、神戸市は、この措置が神戸市を含む子育て世帯の流出を招くと危惧しています。(2024年3月27日のブログ)
残念ながら、阪神間では、そのような空気は薄いようです。
兵庫県内には、伝統ある県立高校、特色ある私立高校がたくさんあり、大阪府の高校無償化の影響を心配する必要はないのではないかという見方です。
正直、甘いのではないかと思います。
子育て世帯は、経済的負担に敏感です。
根拠のない楽観を捨て、冷静にこれから何が起きるのか、どうすれば良いのかについて、兵庫県を中心に、関係者が忌憚のない意見交換を行う時期だと考えます。