能登半島地震は大震災の様相を呈してきています。
地震発生から1か月以上が経っても被害の全容が不明というのは、異常な事態です。
過疎地で地形などの地理的条件があるのせよ、大地震への備えが十分であったのかどうかが問われていくことになるでしょう。
これまで国を挙げて、南海トラフ巨大地震とこれに伴う津波への対応が進められてきました。
神戸市でも、防潮堤の整備や水門、陸閘の遠隔操作システムの導入を進め、100年に一度、1000年に一度の津波への対策はすでに完了しています。
津波の危険は、広く市民の間に共有されているように感じます。
飲食店などでも、浸水の危険を指摘されることがあります。
南海トラフ巨大地震への対応はもちろん必要ですが、これまでの国の対応を見ると、将来大地震が起きるとすれば、それは南海トラフ巨大地震だというメッセージを与えてきたように感じます。
それは裏を返せば、東京直下型地震は別として、他の地域で大地震が起きる可能性が少ないという印象を与えてきたということではないかと思われます。
能登半島周辺では近年大きな地震が発生してきたにも関わらず、国として十分な対応ができてきたのかどうかについては、今後の検証が待たれます。
想い起こされるのは、半世紀近く前から国が唱導してきた東海地震への対応です。
国は特別の法律までつくり、東海地震への対策を講じてきましたが、実際に起きたのは、阪神・淡路大震災であり、東日本大震災でした。
私は、若い頃から国の東海地震への対応に疑問を感じてきました。(2014年10月4日ブログ)
地震はどこで起きてもおかしくないという前提に立って、十分な備えをすることが求められます。