10月9日(月・祝)に、東京・有楽町朝日ホールで開催された「朝日地球会議」に参加しました。
テーマは「里山~自然と文化の交差点 持続可能なくらしとは」です。
俳優の財前直見さん、NPO法人よこはま里山研究所(NORA)理事長の松村正治さん、東京都立大学国際センター准教授の佐々木リディアさんとディスカッションを行いました。
コーディネーターは、朝日新聞GLOBE+創刊編集長/ソーシャルソリューション部長の堀内隆さんでした。
小中学生の頃から、里山に親しみ、その価値を大切に感じていたことを申し上げ、里山の保全・活用についての神戸の取組みを紹介しました。
里山は、長い時間をかけて築き上げられてきた我が国の貴重な財産です。
神戸でも古くから里山の暮らしが維持されてきましたが、小著『ひょうたん池物語』で描いたように、ちょうど東京オリンピックの頃から都市化が進み、急速に変貌していきました。
手入れが行き届かず、暗い森となり、竹藪の繁茂が広がり、ため池の水質も悪化していきました。
外来生物が侵入・繁殖したことも影響して、生物多様性も失われています。
いま神戸では、市街地に近い特性を生かし、里山の再生が始まっています。
そのような取組みのひとつが「こうべ再生リン」です。
神戸市の下水処理場では下水からリンを効率的に回収し、「こうべハーベスト肥料」として加工しています。
この肥料を使った野菜や米が栽培され、それを市民が食し、下水道に排出され、リンの資源循環を実現しています。
かつては農村集落単位で存在していた循環型社会を、都市と農村がつながることによって、より大きな形で実現し、里山地域の再生にもつなげていく試みです。