久元 喜造ブログ

コロナと戦い抜くために。


2020年初め、コロナとの戦いが始まったとき、二つの態度が必要ではないかと感じていました。
一つは、この未知の敵と戦うにあたって、徹底的に想像力を働かせ、思考を巡らすこと。
もう一つは、歴史に学ぶということです。
直接参考になる歴史的事実が「スペイン風邪」だと思われました。
今でいうインフルエンザです。
我が国では1918年8月頃から1921年7月頃にかけて流行し、海外領土を除く日本国内で38万人を超える死者が出ました。
当時の状況、対応と課題を克明にまとめた記録が、内務省衛生局編『流行性感冒』です。
平凡社のご厚意で復刻され、ネットでも公開されました。
参考になることが沢山ありました。(2020年4月29日ブログ

そのとき感じたことは、「スペイン風邪」の経験に照らせば、コロナとの戦いはすぐに終わらないのではないかということでした。
ウイルスの種類が異なるコロナウィルスが類似の経過をたどるかどうかはわかりませんが、やはりそれくらいの期間が要るのではないかと感じました。
3年余り続いたということを、念頭に置きました。
それくらいの期間を戦わなければならないと、自分自身に密かに言い聞かせてました。
このことを口に出すことはありませんでしたが、ある種の覚悟が出来ました。
ジタバタしてもどうにもならないと。

今、すでにコロナとの戦いは2年数か月に及び、まだ終息の時期を見通すことはできていません。
この間、私たちの間には、この厄介なウイルスとどう向き合えばよいのかについての知恵、経験そして教訓が蓄積されています。
決して焦ることなく、冷静に、そして緊張感を持って戦いに臨んでいくという姿勢を堅持していきます。