札幌市の市街地にヒグマが現れ、4人が重軽傷を負いました。
学校は休校になり、近くの丘珠空港を発着する便に欠航が出たとも報じられています。
かつて札幌市でお世話になった者として、大きな衝撃を受けました。
驚くのは、ヒグマが生息する南区などの山林から遠く離れた市街地に現れ、市民生活に大きな影響を与えたことです。
ヒグマの行動に大きな変化が出てきていることは確実です。
私は、市長就任前から、有害鳥獣対策に大きな関心を持ってきました。(例えば、2013年8月2日 のブログ)
そして、市長になってからは、この分野に力を入れ、対策を強化してきました。
基本にある問題意識は、人と自然との関係が大きく変化してきたのではないか、そうであれば、よほどの覚悟で臨まなければならないのではないかということです。
クマがなぜ今まで出没しなかった地域にまで現れるようになったのか。
北海道と本州ではクマの種類や地理的特性が違いますから一概には言えませんが、山村や中山間地域で集落が消滅し、果樹などが放置されていることが挙げられます。
兵庫県でもツキノワグマの被害が広がっています。(2020年11月12日 のブログ)
シカ、サルの生息域が拡大し、神戸市内でもシカの繁殖が見られ、神戸市では監視・捕獲体制を強化しています。
その背景には、農山村地域における過疎化、地域の荒廃が進み、その影響が広域に及ぶようになっていることが考えられます。
野生動物の行動は、ときに人間の想像を超えます。
神戸市の北部地域に突如ツキノワグマが現れることも想定しなければならないかもしれません。
そのときにパニックが起こらないよう、専門的知見も得ながら対応を進めます。