きょうの各紙には、空港の旅客数激減の記事が掲載されています。
コロナで人の移動が縮小されている昨今、不思議に思い出すことがあります。
世紀の変わり目の2000年頃、中央省庁の再編が行われることになり、廃止が予定されていた国土庁で店仕舞いの仕事をしたことがありました。
庁内研修があり、地域経済の専門家の先生がこんなことを仰ったのです。
「東京から見て移動に時間がかかる最も不便な都市、それは神戸だ」。
とてもショックでした。
「神戸が不便?そんなわけないやろ」と、違和感、そしてこの先生に対する嫌悪感を感じたのも、神戸愛がなせる業だったのでしょう。
しかし言われてみれば、確かにそうでした。
すでに、羽田から北海道、九州をはじめ各地に空路が開設され、とても便利になっていました。
空港がない神戸に行くには、新幹線で当時3時間以上かかっていたのです。
それだけに、2006年(平成18年)2月の神戸空港の開港は待ち望まれていたことでした。
「東京から見て最も不便な都市」からの脱却でした。
神戸空港開港以前における神戸のハンディは大きなものがあったと痛感します。
今や神戸は、港、空港、新幹線、JR、私鉄、地下鉄、新交通システム、高速道路を備え、全国で最も交通手段が発達した都市のひとつかもしれません。
この集積を活かし、さらに便利な都市にするためには何が必要か。
昨年の北神急行の市営化による運賃大幅引き下げのように、既存のインフラを賢く使う手立てを考えること。
それと、空港を含め各交通結節点の間のアクセスを改善することが必要です。
6つの駅がある三宮では、乗り降り、乗り換えをよりスムーズにするための整備を急ぎます。
世紀の変わり目、神戸は不便な都市だった?
2021年1月26日