全国でツキノワグマの被害が相次いでいます。
11月3日の毎日新聞に興味深い記事が出ていました。
人間を恐れない「新世代クマ」が出現しているというのです。
これまでの定説では、ツキノワグマは用心深い性質で、鈴などを鳴らし人がいることを知らせると、人との遭遇を避けるとされてきました。
記事によれば、最近のクマは車などの人間社会の音にすっかり慣れていて人を恐れないといいます。
人を恐れず、襲うようになっているのです。
その原因は、もともと人が暮らしていた里山から人が離れて荒廃し、ここが「若いクマの生息域になり、人の生活圏に暮らすようになった」からだそうです。
神戸にはツキノワグマはいませんが、神戸でも里山が荒廃し、動物たちの生息域が変わってきていることは確かです。
神戸近辺では見かけなかったニホンジカが県北部から南下し、市内でも確認情報が相次いでいます。
ニホンジカは、植生に被害を与え、ヤマビルなどを運ぶ有害な動物で、市内侵入を食い止める必要があります。
近年は、定点観測を行い、警戒態勢を強化しています。
ニホンジカに続いて、ツキノワグマが南下し、市内で被害が出るような事態は食い止めなければなりません。
有馬の温泉街にツキノワグマが現れ、パニックになるような事態は悪夢です。
ニホンジカ、ツキノワグマといった有害鳥獣が広がる背景の一因は里山の荒廃にあります。
里山の再生は、生態系の維持からも重要な課題です。
里山は、白神山地のような原生林とは異なり、人の手が入ることで創り上げられてきました。
里山は神戸の貴重な財産です。
たくさんのみなさんの参画をいただき、神戸の豊かな里山の再生を図っていきましょう。