久元 喜造ブログ

中央公論:公務員「少国」ニッポン


今月号の中央公論は、タイトルにあるように、公務員の数が少なすぎる、行政のスリム化が行き過ぎているというトーンで特集が編まれています。
たとえば、大阪大学の北村亘教授は、「日本の歳出額と職員数の時系列比較と、行政規模に関する日本と他の主要先進諸国との国家間比較」などに照らすと、「人間で言えば「ダイエットしすぎて拒食症ではないか」という状態」と指摘しておられます。
霞が関、特に厚生労働省の過酷な勤務の実態も取り上げられています。
地方自治体においても、保健所をはじめコロナへの対応を担当した職員の苦労には大きなものがありました。
確かに、公務員数は減り続けており、一部の職場で課題が生じていることは確かだと思います。
しかし、公務員を増やすことは現実的ではないし、適切でもありません。
今後現役世代人口が減り続けるという状況を踏まえれば、国・地方を通じて引き続き職員の削減を図っていく必要があると思います。

このたび策定した神戸市の「行財政改革方針2025」においては、向こう5年間に毎年1%ずつ、合計750人の職員を削減することにしています。(水道局、交通局、教員を除く)
大事なことは、職員の削減が職員の疲弊や士気の低下につながってはならないことです。
公務職場は、忙しい組織とそうでない組織との繁閑の差が大きいことが特徴です。
業務分析をしっかり行い、人員の適切な配置を行っていくことが求められます。
やめる勇気」を持って、効果が上がっていない施策や事業は思い切って廃止すること、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を進め、テクノロジーを積極的に導入して仕事のやり方を根本的に改革することも必要です。