神戸の夜の道が暗い、というご指摘を何度も受けたこともあり、街灯を増やす作業を進めています。
112の市内の駅前周辺に、約2000基の街灯を増設します。
駅の特性を個々に考えながら、ベンチを増やしたり、植栽を工夫したりして、明るく快適な駅前になるよう、鉄道事業者と相談しながら進めています。
ときどき駅前を訪れますが、建設局などの職員のみなさんの努力により、少しずつ神戸の駅前も変わってきているように感じます。
街なかの街灯についても、現在の設置数の5割程度を増やし、夜の帰宅時などに少しでも安心して歩いていただけるようにしていきます。
既設の街灯は、LEDに取り換えています。
明るさに対する感覚は人それぞれ異なり、各建設事務所で、地域のみなさんのご意見をお聞きしながら作業を進めています。
駅前や通りを明るくすることは大事ですが、とにかく明るくすれば良いというものでもないと思います。
夜の暗闇と静寂には敬意を払う必要があると思います。
夜は、睡眠と休息の時間です。
睡眠と休息には、暗がりが必要です。
もちろん現代の都市は眠ることはなく、24時間活動し続け、眩い光が暗がりを侵食してきました。
明るい光が街を覆い尽くすことになれば、それは、人間にとり必要な安らぎを奪うことになるでしょう。
夜は、瞑想の時間も与えてくれます。
夜半静思。
夜の闇は、魂を孤独しますが、昼の世界では見出しがたい何かに、自分が繋留されていることを感じさせてくれます。
夜の闇の価値と尊厳を尊重しながら、公共空間のおける危険と不安を減らす。
矛盾を孕んだ難しい課題ですが、この矛盾を意識しながら公共空間と向き合うことには意味があると感じます。