久元 喜造ブログ

住宅街にお店があってはいけないのか?


金曜日の夜遅く、阪急六甲の八幡神社の近くを散策しました。
雨が降りしきり、神社の境内と周辺には神々しい気配が漂っています。
静かな住宅街の中に、雰囲気のよさそうなバーがあり、入りました。

もともとここには、ご夫婦でやっておられる居酒屋があったことを思い出しました。
マスターのお話では、この居酒屋を改装し、6月9日に、”Bar Stray Dog” をオープンされたばかりだそうです。
カナディアン・クラブのロックの後、アイリッシュ・ウイスキーを2種類いただきました。

マスターのお話によれば、このあたりには、最近、お洒落なお店が増えているそうです。
静かな住宅街の中に、素敵なレストラン、割烹店、居酒屋、バーなどが点在する街は、魅力的ではないかと思います。

ところが、現在の都市計画のルールは、このような街の姿に背を向けています。
住居専用地域に店舗などを建てることは、厳しく制限されているからです。
いま、住居専用地域に指定されている多くの地域で、人口流出が見られ、空き家・空地が増えています。
そのような中、むしろ、お店やオフィス、工房を増やし、職住近接の街づくりが求められるのではないのか。
先日もこのような問題意識で都市計画担当部局のみなさんと議論しました。
いくつかの方法はあるようですが、「地域の合意」が不可欠とされ、複雑な手続きが必要とされるようです。
これで良いのか。
商業地域では高層タワーマンションが次々建設されているのに、住居専用地域での厳しい立地規制はバランスを欠いているように感じます。
これまでの規制に固執するのではなく、あるべき街の姿をしっかりと描き、その実現のためのルールが求められています。