久元 喜造ブログ

地方選挙・低投票率の背景 ③


去る4月7日に行われた神戸市会議員選挙の投票率は、全市で、39.98%と、過去最低を記録し、初めて40%を切りました。
区ごとに見てみると、かなり差があるのがわかります。

一番高いのは、須磨区で、43.85%。
次に、北区の 41.89%、東灘区の 40.90% と続きます。

一番低いのは、中央区で、33.52%。
次に、長田区の 36.37%、西区の 39.01% と続きます。

投票率が一番高い須磨区と、一番低い中央区との間では、10.33%もの差があります。
中央区は、とくに近年、人口が増えており、須磨区は、人口減少が目立っています。

8年前の統一地方選挙の年、2011年と、2019年の人口増減率を見てみると、
人口増加率が高いのは、
中央区 8.90%
灘区 2.03%
東灘区 1.92%

人口減少率が高いのは、
長田区 -5.86%
北区  -5.67%
須磨区 -4.68%

こうして見ると、人口増加率が一番高い中央区の投票率が一番低く、人口減少率が一番高い須磨区の投票率が一番高いのですが、ほかの区について見ると、人口増が見られる地域では投票率が低く、人口減が見られる地域では高い、と断定することもできません。
投票率は、それぞれの選挙区の選挙情勢にも影響されます。
ただ、今回、前回、前々回とも、中央区の投票率がいつも低く、全市で最低であることは特徴的です。

投票率の細かい地域毎の状況は、選挙管理委員会から公表されませんが、住民の転出入や高齢化の状況、高層タワーマンションの増加など地域の変容と投票率がどう関係するのか、あるいは関係しないのか、研究者の協力を得ながら、もう少し分析する必要がありそうです。