自治体選挙の投票率が低下し続けています。
神戸市議会議員選挙の投票率は、39.98%と、40%を割り込み、前回に続き、過去最低となりました。
地方自治への関心の低下を嘆く社説や論説が多い一方、その背景、要因を分析した記事・解説は多くはありません。
そのような中、現場を取材し、要因について触れた記事がありました(朝日新聞 平成31年3月25日朝刊)。
「「住民の声を」形だけでは 低投票率 高砂市から考える」と題されたこの記事では、建設が進む新庁舎の基本設計に関し、市が行ったパブリックコメントが取り上げられていました。
これまでのパブリックコメントに対し「意見ゼロ」が半数以上に上ったことについて、
「説明会や意見公募を形だけ済ませればいい、では逆に市政への無関心を誘発し、投票率の低下にもつながっていく」という専門家の声を紹介しています。
さらに、別の専門家の意見として、「地方衰退と均質化の中で政治的な地域性が失われてきた」こと、「決して政治的な争点がなくなったわけではないのに、(オール与党化などで)争点が見えにくくなった」ことが指摘されます。
そして、「今年2月の沖縄県民投票のように、民意が一顧だにされないような現実を見せつけられれば無力感は強まる」と締めくくります。
この分析について、どう思われるでしょうか?
高砂市での選挙の投票率が低いのは、市のパブリックコメントのやり方が悪いからなのか?
沖縄県の住民投票に対する政府の対応が悪いからなのか?
率直に申し上げて、ちょっと違うのではないかと感じます。
長年続いてきた、地方選挙の投票率の低下には、もっと根本的な要因があるような気がします。(続く)