久元 喜造ブログ

武庫郡山田村郷土史


北区山田町の旧家の方から、旧武庫郡山田村の郷土史をお借りし、目を通しました。
山田村役場が、大正9年(1920年)に発行した郷土史です。

村名起源、丹生山田庄の沿革に始まり、維新前各部落の行政、旧幕府時代の状況が説明されます。
そして、廃藩置県から町村制実施に至る経緯、町村制施行後の状況が記されています。
村会、村長、助役、収入役の役割とともに、歴代の村長、助役、収入役、村会議員、県会議員、郡会議員の名前も記されていました。
また、当時の道路、砂防工事や林業、林産物の状況、境界紛争に関する記述も興味深いものでした。
寺子屋から学校教育への移行、各小学校の沿革にも紙幅が割かれています。

行間から伝わってくるのは、この郷土史を編んだ人々の山田村への愛情、そして村行政に対する使命感です。
村民が力を合わせて、山田村を発展させていこうという強い決意が感じられます。

当時の盛本萬右衛門村長の巻頭言には、次のように記されていました。

「村治に於て着々穏健の進歩に向ひ、茲に三十年の星霜を経過せる一の記念として見るべく、将来五十年百年の後に於て、其の二篇三篇の続出せんこと期して俟つべきなり

旧武庫郡山田村は、1947年(昭和22年)に神戸市に編入合併され、山田村の村長、村会、村役場も廃止されました。
50年後、100年後に「山田村」郷土史の続編が編まれることもなくなりました。

当時の山田村の人々は、単独で自治体として存続するよりも、神戸市と合併する方が地域がよくなると信じ、合併という選択をされたのだと思います。
山田村に限らず、当時の旧村の人々の気持ちを想い起しながら、地域の振興発展を図っていきたいと思います。