ここのところ、霞が関の府省における「障害者雇用水増し不正問題」が、連日大きく報道され、批判が集まっています。
地方自治体でも、同様の不正が行われているという指摘もあります。
このような報道に接するみなさんは、役所はみんな障害者雇用の水増しを行っている、信用できないと思われることでしょう。
とても悲しいことです。
しかし、決してそうではありません。
多くの自治体は、障害者雇用数を正確に把握し、所管行政機関に報告しています。
神戸市もそうです。
神戸市では、まず職員に対し、手帳の種類、障害名、障害の等級、有効期限を申告してもらっています。
この調査の回答は、職員の意向を尊重する見地から、任意としています。
その上で、障害者雇用率の算定の対象となる職員について、所得税・住民税の障害者控除の対象となるかどうかを確認しています。
人事当局がこの方法で把握している障害者職員であっても、本人から申告がない場合は、障害者雇用率の対象者には含めていません。
この結果、神戸市の障害者雇用率は、実態よりもむしろ低い数値となっています。
報道を見る限り、中央府省の対応に問題があることは間違いありませんが、障害者雇用率に関する明確な基準を示さず、ただ、見かけの数字の達成率ばかりを問題にしてきた厚生労働省のお役所仕事も厳しく問い直されなければなりません。
大事なことは、どんなときでも、行政は、内部でも外部に対しても、嘘をつかないという当たり前のことができるかどうかです。
このことは、神戸市のどのような行政分野についても当てはまります。
嘘はつかないまでも、都合の悪いことは覆い隠すという風習は正す必要があります。