少し前のことになりますが、8月18日の日経新聞に、「地域間の税収格差 どう是正」との見出しで、「国」と「都」が再配分を巡り火花を散らしている、という記事が掲載されていました。
記事によれば、政府・与党は、2019年度から地域間の税収格差を縮めるため新たな措置を導入する方針ですが、これに東京都が反論しているというのです。
焦点になっているのは、合計6兆円あまりの法人2税(法人住民税・法人事業税)です。
人口一人当たりの税収額は、都道府県間で最大6倍以上の開きがあり、その是正が問題になっています。
このような格差が生じる背景は、都区財政調整制度の存在です。
東京に集中する税源を東京都と23区で山分けする仕組みになっていて、膨大な財源余剰が生じています。
この結果、財政状況を見ると、同じ大都市でも23区と20の指定都市との間で大きな格差が生じています。(2015年7月22日のブログ)
直近の統計(平成28年度決算)では、この格差がさらに拡大しています。
指定都市の市民一人当たりの借金 65万8000円
東京都特別区の区民一人当たりの借金 5万5300円
指定都市の市民一人あたりの貯金 3万6400円
東京都特別区の区民一人あたりの貯金 18万7600円
つまり、23区は、指定都市に比べて、人口一人当たり、5倍以上の貯金があるのに、借金は約12分の1しかないということです。
政府・与党におかれては、これ以上の東京一極集中を食い止める見地からも、ぜひ思い切った偏在是正のための措置を講じていただき、税源配分の不公正を正していただくよう期待しております。