昨日の夜、神戸文化ホールで、楠木新 さんの講演会が開催されました。
楠木さんは、神戸市兵庫区のご出身。
ご著書、『定年後~50歳からの生き方、終わり方』(中公新書)は、25万部の大ベストセラーになりました。
背景には、「定年後」に対する関心の高まりがあります。
会社、役所勤めの人には一律に定年が適用され、それぞれ慣れ親しんだ職場から退くことになります。
長寿社会になり、定年後の人生は長くなりました。
楠木さんは、こう書いておられます。
「人は若いころの成功を中高年以降まで持ち越すことはできない。
・・・定年後が輝けば過去の景色は一変する。
やはり、終わりよれければすべてよしだ。
そういう意味では、定年後、いわゆる人生の後半戦が勝負なのだ」
そのとおりだと思います。
神戸市では、職員のみなさんが円滑に「定年後」の人生に移行できるようにする一助として、「高齢者部分休業制度」を設けました。
原則として、55歳から徐々に勤務時間を減らし、地域貢献活動などに携わり、退職後は、本格的にそれらの活動にかかわっていただけるようにする試みです。
また、年齢を問わず、職員が勤務時間外において、継続的な地域貢献活動に報酬を得て従事できるよう、「地域貢献応援制度」も設けました。
もちろんこれらを使うかどうかは職員の判断で、現実にはほとんど使われていません。
昨日の講演を聴かせていただき、会社や役所に勤めている人が、組織の外でそれぞれの能力を活かして活動することは、「定年後」を豊かなものにする上でも有意義ではないかと改めて感じました。
お忙しい中ご講演いただいた楠木さんに感謝申し上げます。