きょうの日経新聞に、インタビューが掲載されました。
「あなたは首長としての資質があると自分で思っているのか?」という質問は括弧に入れてもらうことが条件でインタビューをお受けし、評論家としてお話しました。
思うに、二代続けて都知事が任期途中に辞めるというのは異常な事態であり、のびやかにリーダー論を語っていても答えにはなりません。
猪瀬氏も、舛添氏も、厳しい批判を受けて辞任に至った理由は、政治資金です。
両氏には、残念ながら政治資金について支えてくれる専門家がいなかったと推測されます。
三度このような事態に陥らないためには、次の都知事は、政治資金を含めたリスク管理についてサポートしてくれる人材を周囲に持つことが不可欠です。
東京都の仕事の範囲は広く、組織は巨大で、そのトップは首都の顔です。
都知事の存在の大きさを考えると、都庁官僚によるサポートだけでは限界があります。
一匹オオカミのような都知事が単身で都庁に乗り込むと、官僚に取り込まれ実質的に官僚が仕切る都政になるか、孤立して都政が停滞するかのどちらかでしょう。
1100万人の有権者がいる東京都のトップを選ぶ選挙では、高い知名度とタレント性が求められることは否定しません。
しかし、富士山のように遠くから仰ぎ見ていかによく見えるかだけで候補者を選び続けていたら、残念な結果をもたらします。
近くにいる人たちからも信頼される人物であって初めて、優れた人材を集めるリクルート能力を獲得できるのだと思います。
誤った判断をしたら「そんなことをしてはだめです」と助言してくれる、そんなブレーンを持つことができる人物が求められるではないでしょうか。