5月30日の産経新聞社説は、
「東海地震だけを対象として防災対策を定めた大規模地震対策特別措置法(大震法)は直ちに撤廃すべきである」と主張しておられます。
まったく同感です。
この法律を廃止するか、東海・東南海・南海地震への対応を一体的に規定した新法を制定すべきだと思います。
私は、2014年10月3日のブログ でも記しましたように、大震法には大きな疑問を持ってきました。
公務員になって3年目、消防庁防災課に配属されたとき、この法律ができたばかりでしたが、そもそも地震の予知などできるのか、確信を持つことができず、そのような疑問をもちながら、静岡県などに防災対策を「指導」する仕事に関わったものでした。
国は、国民に対して「次に起こる大規模地震は東海地震だ」というメッセージを発し続けたのですが、現実に起きた大地震は、東海地震ではなく、1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災でした。
そして、今回の熊本の地震についても、国は予知どころか、何の事前メッセージも発することはできなかったのです。
もちろん、今後、東海地震の発生を否定することもできませんが、すでに神戸市を含め、南海トラフの活動によって起きる大規模地震を想定した対策が講じられつつある中、「東海の震源域だけが動く」ことを想定した国の制度は、国民の意識とも、国や自治体が執ってきた対策ともズレが生じています。
産経の社説が主張するとおり、「邪魔な法律」をこれ以上、存続させてはならないと考えます。