久元 喜造ブログ

「本震」前に引き返した神戸市消防隊

160422
昨日の読売新聞一面トップの記事です。
14日午後9時26分にマグニチュード6.5、益城町で震度7の地震が発生した後、熊本に向かった神戸市消防局の部隊が、総務省消防庁の待機指示を受け、15日未明までに神戸に引き返したことが報じられていました。
この後、16日1時25分にマグニチュード7.3の地震が発生し、消防庁からの指示を受け、神戸市を含む各消防本部の隊員は、緊急消防援助隊として現地に向かったのでした。

大きな地震の後は、余震を伴いながら収束していくのが通常のパターンです。
記事は、気象庁にとって、最初の大きな地震を本震とみなすのは長年の「常識」であったことを指摘した上で、会見した気象庁の地震津波監視課長が「今回が本震」と説明すると、「報道陣はどよめいた」と報じていました。

私は、気象庁や総務省消防庁の判断が間違っていたとは思いません。
これまでの「常識」からすれば、やむを得ない対応だったことでしょう。
しかし、この記事で、古村孝志東大地震研究所教授が「規模や時期の予測で被害を減らせるという考え方を改める必要がある」と述べておられるのは、そのとおりだろうと思います。

2014年10月3日のブログ でも書きましたが、私たちは、地震など地下の動きについては、なお未知の世界が広がっているという認識に立つべきだと思います。
根拠のない予断を抱くべきではありません。
神戸でも、21年前に大地震があったからと言って、近い将来再び起きないとは言い切れません。
神戸近辺の活断層の状況と市内の地質分布を、改めて地図で確認しました。