久元 喜造ブログ

神戸市選管ポスター「18歳をナメるな」

5138_18歳選挙権引き下げ啓発ポスター
神戸市選挙管理委員会がこんなポスターをつくったのを新聞で知りました。
次の参議院議員選挙から、18歳、19歳のみなさんも選挙権を行使できます。
キャッチコピーには賛否あるでしょうが、このポスターには、投票に行ってほしいというメッセージが込められています。

憲法は、「成年者による普通選挙」を保障した上で、選挙人の資格は法律で定めるとしています。
法律により、18歳以上の日本国民に選挙権を付与することとされたわけですから、欠格事由に該当する者以外の18歳、19歳の国民はすべて有権者です。
働いているか、学んでいるかは関係がありません。

もちろん、選挙権を行使するうえで、市民と政治との関わりに関心を持ち、政治制度や選挙の仕組みを学ぶことは大切で、「主権者教育」には意味があります。
しかし、主権者であり、有権者である若者たちが「主権者教育」を受けているかどうかは、権利行使の前提であるはずはなく、自らの感性と判断に基づき、投票行動を行えばよいだけのことです。
国や地方自治体が、新しい有権者の未成熟を、上から目線であげつらうべきではありません。

また彼らが行う政治活動は、憲法の保障を受けています。
学校外で高校生が行う政治活動について学校が関与するのであれば、明確な関与の目的・根拠を示すとともに、その目的・根拠に照らして合理的な範囲であることが不可欠です。
有権者である若者は、政治参加の世界では大人なのだという認識に立つべきではないでしょうか。