地下鉄の民営化については、9月24日のブログ で、また、地下鉄についての全般的な考え方については、9月25日のブログ で触れましたが、きょうは、引き続いて、海岸線について、もう少し、考えてみたいと思います。
副市長をやっていましたとき、昼休みに、ときどき、海岸線に乗って昼食をとりに行っていました。
三宮・花時計前駅から12時10分発の地下鉄に乗り、和田岬などの駅で降り、思いつきでお店に入った後、街の佇まいや市の施設を見学するのが定番でした。
地下鉄海岸線は、 平成13年に開業しました。
建設時の計画では、1日あたり乗客数について、免許申請時は、何と約13万人と見込んでいました。
ところが、乗客数は、想定を大幅に下回る状況が続いています。
乗客数は、開業時が34,500人から、現在は、42,000人に伸びていますが、計画を大きく下回っています。計画時の乗客数を過大に見積もっていたことは間違いありません。
この結果、海岸線は、慢性的に赤字が続いています。建設費の償還や減価償却費どころか、運行のランニングコストすら賄えない危機的な経営状況にあります。
市交通局は、駅業務の委託などを導入し、コスト削減を図っています。しかし、海岸線のコスト構造は、固定経費である減価償却が36億円、支払利息も金利の低減と平準化を進めていますが、28億円と、費用全体の72%を占める一方、人件費割合は駅業務の委託化等11.8%と低くなっており、これ以上のコストの削減には限界があります。
抜本的な対策の鍵は、乗客数の増加であり、需要喚起策が求められるのですが、これは、交通局ひとりでは解決できない大きな政策課題であり、市役所が一体となった取り組みが求められます。
しかし、市役所でのこれまでの取り組みは、十分とは言えません。
私が副市長をしていたときも、海岸線に関して、抜本的な乗客増対策についての庁内会議が開かれたことはありませんでした。
先輩たちが残した大きな市政課題であるにも関わらず、根本的な問題解決策が見当たらないので、誰も触れたがらないような雰囲気が見られたことは残念でした。
これではやはり困ります。
組織全体で危機感を持ち、一丸となった積極的な取り組みが必要です。
私は、早急に、沿線住民、沿線企業、企業経営や地域づくりの専門家のみなさんなどに参画していただいたプロジェクトチームを早急に立ち上げ、速やかに、需要喚起策をとりまとめていきたいと思います。