9月2日のブログ で、神戸ゆかりのミステリーについて記し、その中で、横溝正史について触れたところ、市役所OBの先輩が、この本を届けてくださいました。
副題は「モニュメントウォークのすすめ」。
神戸ゆかりの100人を超える歴史上の人物、そしてその銅像や墓碑銘が取り上げられています。
横溝正史の生誕地碑は、今のJR神戸駅から南西約500メートル、神戸市立湊小学校の西側の道を渡った小スペースに建てられています。
南側が生家の跡地で、今は、川崎重工の施設があります。
この碑は、「絡み合った2つのメビウスの輪がデザインされて」おり、「複雑に絡みたった難事件を名探偵が見事に解決していく様子を象徴している」ようだと描かれます。
それにしても、この『神戸人物史』に取り上げられている人物の多彩なこと。
神戸には豊かな歴史があり、数多くの人物が登場しますが、残念ながら、その痕跡は、度重なる戦乱、そして空襲、また震災の惨禍によって失われ、現在、残されている歴史遺産は、そんなに多くありません。
そのような宿命の下に歴史を刻んできた神戸では、本書で紹介されているようなモニュメントを保存していく必要性が、ほかの都市に比べて高いように感じます。
戦前や江戸時代に建立された石碑の中には、酸性雨の影響もあり、文字が読めなくなっているものもあります。
市民と行政が協働して、問題を共有することから始められないかと感じます。