久元 喜造ブログ

神戸を舞台にしたミステリー

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8月30日の朝日新聞に、
神戸「ミステリー発祥の地?」
という見出しの記事が出ていました。

神戸文学館の中野景介館長によれば、日本でミステリーが広まり始めたのは昭和の戦前期。
神戸港に来る外国船に積まれたミステリーが古書店に出回り、親しまれていったのだそうです。
海野十三、山本禾太郎、戸田巽・・・といったミステリー作家が続々生まれたのだそうですが、知らない名前です。
さらに、若い頃よく読んだ横溝正史の出生地、現在の中央区東川崎町に、横溝正史の生誕記念碑があることも知りませんでした。
お恥ずかしい限りです。

神戸が舞台のミステリーも少なくありません。
旅情ミステリー作家、内田康夫さんには、その名もズバリ『神戸殺人事件』がありますが、最近読んだ 『遺譜 上・下』 にも、神戸がたくさん登場します。
ホテルオークラ、女性の死体が発見される埠頭、新神戸トンネル、北区の山中にある古い神社、元町の古風なレストラン、やはり元町にあるお好み焼き屋・・・・
内田康夫さんは、神戸をかなり丁寧に取材されたものと思われます。
そして、神戸を楽しまれたことでしょう。

昨年、家内は、篠山市で開催されている音楽祭「シューベルティアーデ」に出演しましたが、このとき、楽友に勧められて買ってきたのが『遺譜』でした。
物語は、「シューベルティアーデ」が重要な舞台となり、 浅見光彦は、神戸と篠山の間を頻繁に行き来します。
改めて、両市がとても近いことを認識しました。